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自動運転社会のその先に ― 運転の楽しみは残るのか?

 車の未来は、自動運転に向かって突き進んでいる。事故の原因の九割以上は人間のミスだと言われる以上、AIがハンドルを握るほうが安全で効率的だと考えるのは自然な流れだろう。実際に、都市部ではすでに「無人タクシー」の実証実験が始まっており、地方でも赤字路線の代替として自動運転バスが走る姿が珍しくなくなってきた。

 技術が進歩するのは喜ばしい。けれど、ふと気づけば「車を所有する」という当たり前が過去のものになりつつあるのではないか。車両価格は安全装備やセンサー類の追加でどんどん上がり、庶民が自家用車を買うのは難しくなる。移動は「シェア」「サブスク」「自動運転タクシー」へと切り替わっていき、車は日常生活の道具ではなく、インフラとして利用するものへと変質するのだ。


 ここで一つの疑問が浮かぶ。「運転する楽しみは、いったいどこへ行くのか?」

 たとえば新幹線は、専用の軌道という「安全が担保された環境」に最適化され、軽量化と効率化を突き詰めた設計になっている。では自動車は? 完全に自動運転専用道路が整備されれば、衝突リスクを前提としない軽量な車両設計が可能になる。だがその頃、私たちがハンドルを握る機会はどれほど残っているだろう。


 メーカーはすでに「車を売る会社」から「移動サービスを提供する会社」へと変身を遂げようとしている。ソフトウェア課金、サブスクリプション、ライドシェア、モビリティ・アズ・ア・サービス……。効率的な未来像が次々と描かれていくが、そのなかに「人が運転を楽しむ」という余白はあまりない。


 しかし、だからといって運転の喜びが消えるわけではない。むしろ「日常から切り離された趣味」として、より純度を増していくはずだ。

 その一つの答えが「軽四輪バギー」である。


 軽四輪バギーは、50ccから125ccクラスの小型モデルなら30万円前後から手に入る。保安基準を満たせば公道を走れるが、普通車のようなエアバッグや衝突安全試験は求められない。要するに「最低限の公道基準」をクリアしただけのシンプルな乗り物だ。安全性を語れば脆弱かもしれない。だが、そこにこそ「操る楽しみ」「野性味」が残っている。


 自動運転車で移動するのが当たり前の時代に、自分の手でアクセルを開け、ハンドルを切り、風を受けながら走る体験。それは「馬車が観光や趣味として残った」ように、未来の社会でもきっと生き残る。日常はAIに任せ、休日は軽四輪バギーで未舗装路を駆ける。そんなライフスタイルが、案外ふつうになるかもしれない。


 もちろん危険性はあるし、規制は続くだろう。だが、テクノロジーが移動の効率を極めていけばいくほど、逆に「非効率を楽しむ」遊びとしての運転は価値を帯びる。高級スポーツカーがそうであるように、バギーのような小さな相棒もまた「自分だけの自由」を提供してくれる。


 未来の道路には二つの流れが共存する。

 一つは無人のシャトルや配送ロボットが、静かに正確に人と物を運ぶ世界。

 もう一つは、趣味人が軽四輪バギーやクラシックカーを操り、汗をかき、笑いながら「不自由を楽しむ」世界。


 効率と快適を求める文明の先にこそ、遊びとしての運転の価値が輝くのではないだろうか。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

自動運転の話題って、ニュースでは「便利になる」「事故が減る」といった明るい側面ばかり取り上げられますが、よく考えると「運転の楽しみはどうなるんだろう?」と不安になる人も多いんじゃないでしょうか。


僕自身、未来の効率化は歓迎しつつも、ハンドルを握る自由が完全に失われるのは寂しいなと感じます。

その中で「軽四輪バギー」という存在は、ちょっとした救いというか、“遊び心の逃げ道”のように思えました。


みなさんはどうでしょう?

「全部自動運転に任せたい派」なのか、それとも「不便でも運転を楽しみたい派」なのか。

もしコメントで教えていただけたら嬉しいです。


効率と快適さの未来、その先に残る“ちょっと不自由な自由”。

そんな余白を、これからも考えていきたいと思います。

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