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大宙の彷徨者  作者: Isel


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第135話 雨の星

例によって新たな星へとやって来たリーヴ達は、地面に降り立ってからすぐにこう呟いた。


「あ、雨だ」

「移動先が屋根の下でよかったね」

「…ここは」


流石のリーヴも雨自体は知っているし見た事もあるので、特に気にしてもいなかった。ただ、リーヴはアルシェンがなんとなく浮かない顔をしているのが少し気になった。


「アルシェン、どうかした?」

「えっ?い、いえ、何でもないですよ。雨の日ってどうしても気分が下がっちゃいますよね〜」

「ですね。どんよりとした雰囲気がありますし……まぁ、私は日差しを浴びずに済むので好きですが」


アルシェンは笑いながら会話しているが、それがどうにも作り笑いに見えるのは気のせいなのだろうか。


「とりあえず傘でも買う?丁度この建物、雑貨屋さんみたいだし」

「だね。買おう、傘」


4人はたまたま後ろにあった雑貨屋に入り、安物の傘を購入した。金が余っている訳ではないので、2人で1つの傘を使うようだ。


「ふふ。『あいあいがさ』だね」

「意識しちゃうからやめて……」


そんな他愛もないやり取りをしながら、4人は何の目的も無しに雨の降る街を散策する。

しばらく歩いた時、リーヴの口の中に一滴の雨水が入った。


「うぇっ」

「どうしたの?」

「雨……口の中に入った」

「ああ、あたしも何回も飲んでるから分かるけど、案外普通の水みたいな味がするんだよね」

「普通の水……?なんか、しょっぱい……んだけど」


その一言にクオンは違和感を抱き、アルシェンは少し動揺したように見えた。


「雨水がしょっぱい……?何か、大気の状況などが関係しているのでしょうか」

「うーん……この味、どこかで……」

「本当?ちょっとあたしも……」

「お2人とも、雨水は清潔ではないので飲まない方が良いですよ」


とは言いつつも、クオンは特に止める様子もなかった。セラが雨水を少しだけ口に含むと、すぐにリーヴの言っている事が分かった。


「…本当だ。確かにしょっぱい」

「でしょ。でも……この味はどこで味わったんだろう」

「……何だか気になって来ましたね。私も少しだけ…」


何で女子3人が揃って雨水飲んでんだよ。地獄みてえな絵面だな。

それはそうと、クオンは先程から言われている『しょっぱい雨』の味に心当たりがあるようだ。


「これは……涙、でしょうか…?」

「涙?」


クオンは今まで数えきれない程の回数、涙を味わって来た。こう言うと不謹慎かもしれないが、だから涙の味がよく分かるのだろう。


「…確かに。いわれてみれば、涙だね」

「何で涙が空から…?」

「……どうやらこの星にも、何かが起こっているようですね」


クオンが曇りきった空を見上げて呟いたその時、耐えかねたようにアルシェンが言い放った。


「……ごめんなさい!わたし、隠してた事があるんです!」


唐突すぎる。


「あ、アルシェン?」


リーヴも流石に困惑している。


「隠し事って……何を?」

「その…わたし、この星で生まれたんです。そして小さい頃に両親を亡くして、たまたまここに来ていたサンサーラ先生に拾われたんですけど…」

「……アルシェンさんはこの星について、何か知っているという事ですか?」

「はい……ですが、まずはこの星の現状を知ってもらいたいんです。涙の味がする雨の他にも異変はあります。わたしが話すと余計な事まで話してしまって、長くなるかもしれないので……街の人に聞いてみてください」


普段はずっとニコニコしているアルシェンが、いつか見た送魂を行う際のような真剣な表情に変わっていた。他の3人もアルシェンの意図を汲み、街の人にこの星について聞き込む事にした。

お気持ち表明という名の言い訳

あのですね

今回の星ですが、結論から言うとプロットほぼ無いんですよ

なんでかっつうと、良い感じのキャラと背景ストーリーを思いついたは良いもののどこの章にも入れられなさそうだったんですよね

だから間章として無理矢理書いたれって感じです

誰が1番辛いってこれ書いてるおれです

基本的に執筆は楽しんでいますが、この星はまあまあ地獄です

まともな物語になっている事を祈りながら頑張って書くので愛想は尽かさないでください

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