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大宙の彷徨者  作者: Isel


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第123話 n k ow

大ボス解説

【忘れられた者】ノーノゥ(神名 オブリビオン)

種族 概念種

所属 なし

権能 「未知」

概要

かつてアルヴィースの眷属として生み出されるも、ノーノゥ自身の幸せを想ったアルヴィースの行動が曲解されて本人に伝わり、自分を「捨てられた」と認識している概念種。怒りは止まず、悲しみは止まらず、何故だ何故だと問いながら、来る筈の無い者を待ち続ける哀れな人形。

「行くよクオン!」

「はい…!」


いよいよ本気を出し始めたノーノゥにも臆せず、セラはノーノゥに立ち向かっていく。クオンが飛ばした三日月型の斬撃に合わせてセラがノーノゥに斬りかかるが、全て紙一重でノーノゥに躱されてしまう。ノーノゥはセラを前にして尚遊んでいるようにも見える事から、まだ余力はあるようだ。


「本当に面白いね…何故僕に立ち向かう?別に世界が滅びる訳でも、君達が損をする訳でも無いだろう?」

「さっき言ってたじゃん…『皆殺しだ』って!」

「それは君達がアルヴィースに与しているからさ。君達が首さえ突っ込まなければ、今頃平穏な日常を送れていたと言うのに……全く愚かしい!」


ノーノゥはそう叫びながらセラを蹴り飛ばす。


「うぐっ…」


セラがよろけた隙に、ノーノゥを右腕を振り抜いて赤黒い刃でセラを乱雑に斬りつける。傷は浅いようだが、それでもセラは腕や脚などから血を流している。


「顔は避けてあげたんだ。感謝してほしいね」

「…この程度!」


再び、セラは果敢に双剣を振り回す。ノーノゥは相変わらず余裕そうに受け流すが、今度の攻撃は少し違った。


「朽ち果てなさい…」


セラの背後に隠れて接近していたクオンが、下から大鎌を振ってノーノゥの服の裾を斬り裂く。その間にセラは上空まで飛び上がり、そこから双剣を連結させてノーノゥ目掛けて急落下する。


「おっと、これは…」


ノーノゥは流石に危険を察知してその場を離れようとするが、アルシェンがノーノゥの正面から突風をぶつけ、背後ではクオンが大鎌を振りかぶっていた為、大した距離は移動出来なかった。


「…やるじゃないか」


先程のノーノゥよりも遥かに速い黄金の矢となったセラが、ノーノゥに突っ込んでくる。限りなくギリギリだったが、直撃する寸前でクオンは回避出来た。


「…!嘘…」


しかし、ノーノゥは右手に赤黒い旋風を作り出してセラの渾身の一撃を受け止めた。


「中々良いんじゃないかな?流石は極光の戦士…その生き残りの名は伊達じゃないね、セリュミエル!」


ノーノゥは光輪を回転させ、周遊する菱形の6つの頂点から赤い光を右の人差し指に集める。そしてその指先が一瞬光ったと思えば、正面に居るセラに向かって極大の光芒が放たれた。


「きゃっ…」

「セラさん…!」


クオンが間に入ろうとするが、元々クオンは速度に秀でている訳では無いので間に合いそうにもない。アルシェンも同様だ。セラが重傷を覚悟したその時…


「…あれ?」

「…そうか。君を忘れていたよ、アルケー」


ノーノゥの言葉を聞いたセラがリーヴに目を向けると、ノーノゥに向かって手をかざしているリーヴの姿が目に入った。アルヴィースはその横でリーヴに拍手している。


「リーヴ…?」

「センスあるじゃん君。とりあえず基本は上手くいったね」

「ふぅ…よかった」


何に安心したのかは分からないが、リーヴは胸を撫で下ろしている。ノーノゥはその隙にリーヴの記憶を読んで、何が起こったのかを把握する。


「…なるほど。君の『無』の権能か…ふざけた力だ」

「リーちゃん、今何をしたんですか?」

「えっと、ね。わたしの権能で、ノーノゥの攻撃を『無』くしたの。アルヴィースが、『それが基本』って」

「うん。これが出来なきゃ話にならないからね。さて、次のステップに進んでみようか」


確かにノーノゥの言う通り『ふざけた力』である。これが概念種をも凌ぐ種族、根源種の力なのだろうか。しかし、言動に反してノーノゥはどこか楽しそうである。


「フフフフフ…フハハハハハハハ!」

「ノーノゥ、たのしそう」

「当然だろう?大事な事が再確認出来たんだから」

「大事な、こと?」

「ああ…やはり僕達は似た者同士だ。どうだい?アルケー。今からでも友達にならないか?」

「わたし達のどこがにてるの?」

「君の『無』は『無』価値の無…『無』意味の無だ。僕と同じだ、僕にも君にも価値は無い。きっと…気の合う友達になれると思うんだ」


台詞の内容はともかく、ノーノゥの声色から悪意などの他意は感じられなかった。先程も感じたように、ノーノゥは本当に純粋に『リーヴと友達になりたい』と思っているのだろう。


「…」


ノーノゥの誘いに、リーヴは答えられなかった。そもそも今この2人は敵同士の立場であり、友達になんてなれる筈が無い。しかしノーノゥの過去を知った以上、善性の塊であるリーヴには真っ向から断る事も出来なかった。


「…まぁ返答には困るよね。いいさ、どうせ期待なんてしていない…アルヴィースの言う通り、僕もギアを上げていくとしようか!」


リーヴの本番を用いた戦闘訓練、そしてノーノゥとの対決はまた次の段階に移行する。


今回出て来た技

ノーノゥ

「落華・積怒解放」

→範囲や形状が結構自由で、オーソドックスに斬撃にしたり棘みたいにしたり出来る


「落華・神意執行」

→赤ビーム。実際は発生が速いのでセラちんでも避けるのは簡単じゃない


リーヴ

・完無の勅令

→指定した範囲内の物体を消滅させる。範囲内の物体なら『どれを消すか』とかを選択可能。消滅させた対象は魔力に変換され、リーヴの中にストックされる。チートみてえな技だが、これがリーヴの通常攻撃である


クオン

・飛来する死兆

→おれから直々に「紫餃子飛ばし」と呼ばれている飛び道具技。実は今までも何回か使っている


セラ

・栄光の彗星

→斬りながら上昇して急降下するやつ。セラちんの技の中では1,2を争うレベルで殺意が高い。これを受け止めたノーノゥはやはり概念種である


アルシェン

・援印 春薫る風

→風起こすやつ。出力は自由に変えられて、1番弱くすれば扇風機代わりにも出来る他、上手く使えばちょっと飛べる

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