第115話 気になる、こと
第1章も遂に最後の星です
ちなみに多分1番星の移動が多いのが第1章です
まぁ当たり前かもしれませんが
夢界での一件から2週間程経ったある日。リーヴは幻にもらった家(夢界)の居間で唸っていた。どうやら何か気になる事があるようだ。
「うーむ……」
そしてその様子を、壁の陰からセラ、クオン、アルシェンの3人が覗き見ていた。仲良く団子のように頭を重ねてリーヴを観察している。
「リーちゃん、どうしたんでしょうか…」
「あんなに悩むなんて珍しいなぁ」
「前にもこういった事はあったんですか?」
「2人旅してた頃、夜ご飯を考えてる時にあったかな…」
「リーちゃんらしいですね…」
「ともかく、聞いてみましょうか」
3人はリーヴの前に座り、何が気になっているのかを聞いた。
「えっと、ね。かなり前から、気になってたんだけど、ね」
「うん。どうしたの?」
リーヴは日頃から言葉の勉強をしているとはいえ、セラやクオンと比べればまだ少し話し方が拙い。それでも、リーヴは頑張って自分の言葉で考えを伝える。そんなリーヴの口からセラ達が聞いたのは…
「誰も知らない男の子…?」
リーヴしか知らないという少年の話だった。
「うん。パラノイアと会った研究所、おぼえてる?」
「覚えてるよ、あたし達が最初に行った星だよね」
「それほど前から知っていたのですか?」
「そう。でも、だれもしらない…ううん、おぼえてないの。セラも、クオンもアルシェンも、多分見たことある、よ」
「そうなんですか…全然知らないです。見た目はどんな感じですか?」
「えっと、赤と黒が目立つ服装と髪色で、背は…わたしと同じかちょっと低いくらい、かな」
「うーん…やっぱり記憶に無いですね」
「そっか…」
予想通りというか、やはり誰1人としてその少年に覚えは無いらしい。と、その時、アルシェンがふと思い出したように声を上げた。
「あ、そうです。気になる事と言えばわたしもあるんですよ」
「どんな?」
「リーちゃんの魂です」
「え、わたしの?なにか変な部分でもある、の?」
「はい。リーちゃんの魂…完全に透明なんです」
アルシェンは心底不思議そうな口調で言う。
「それは…珍しい、の?」
「珍しいなんて話じゃないです。生物の魂には基本的に何か色があるんです。あのえっちで変人で何考えてるのか見当もつかないサンサーラ先生でさえ、魂に色がありました」
(酷い言われよう…)
セラは心の中で苦笑していた。
「ふぅん…じゃあ、わたしは特別なんだ」
「はい、自慢していいと思いますよ!」
「でも…実際リーヴって何なんだろう。リーヴも自分の事はよく覚えてないんだよね?」
「うん。わたしのことも…旅の途中で、しれるといい、ね」
リーヴの事は特に調べようも無いので、話は見知らぬ少年の話に戻った。
「…でね、わたし、その子を探してみたいの。フェイズとか、静寂とか、色んなことに関わってそうだったから…みんな、付き合ってくれる?」
「いいけど…見つかるのかな。今あたし達が居る星はかなり人が多いけど…ここに居るって確証がある訳でも無いし」
「私も構いません。時間が沢山あるのが私達の利点ですし、ゆっくり探しましょう?」
「はい!わたしも頑張って探します!」
「ふふ。みんな、ありがとう」
こうして、星間旅団による見知らぬ少年探しが始まった。
ちなみに
リーヴ達の夢界ハウスの間取りは特に考えてません




