奈落(終)
彼岸が怪異殺しについて話を始めた。
「私とお兄様は、鬼人の生き残りだ。現世で人として生活をし、長らくを人と共に生きてきた。」
鬼人、初めて聞く言葉だった。
「すみません、鬼人というのはどういった存在なんでしょうか?」
彼岸に問いかける
「鬼人は人間と鬼の怪異の間に産まれた半異だ。忌子として、鬼人は人間たちに狩られてきた。私たち兄妹は数少ない生き残りだ。」
人間に狩られていた・・・
その言葉が僕に重くのしかかった。
鬼人というだけで、なんの罪もないモノ達が粛清されていったのだろうと、心が痛くなった。
そんな様子を感じたのか、刹那さんが口を開いた。
「もともと現世に暮らす鬼達は、人間に友好的ではなかった。人間を弄び、喰らい、殺してきた。そう言った背景もあって鬼と人間は長年争いを続けていたんだ。しかし、人間の圧倒的な数には敵わず、現世に居た鬼たちは徐々に数を減らしていったんだ。その時の名残として、鬼の子などと忌嫌われていたのが鬼人だったのさ。だが鬼人に罪はない、だがそんなこと人間には関係なかったんだろうね。」
物悲しそうに刹那さんが言った。
それを聞いた彼岸は鼻で笑い、話を続けた。
「人間がどう思おうと私には関係ない。私はお兄様と静かに暮らせていればよかったんだ。しかしそれは叶わなかった。人間たちは私たちが鬼人だと気付いてしまった。暮らしていた村の人間は、私たちを殺そうとはしなかった。ずっと友好的に接してくれていたからな、だが村に置いておくことはできないと言われた私たちは、その村を後にした。しかし、私たちが居なくなったことを知った別の怪異が、その村を蹂躙し、村人は皆殺しになった。私はなるべくしてなったのだとしか思わなかった。だがお兄様は違った、村人を皆殺しにした怪異を殺し、私の前から姿を消した。
その時からお兄様は変わってしまった。もともと鬼人は人間との間に産まれたモノ故、怪異を殺す力を持っていた。お兄様はその力を使って剣を打ち、怪異を殺して回っていたようだ。そのことは百鬼夜行の際に空亡から告げられた。剣はそこで手に入れた。」
そこまで説明すると、彼岸は黙り込んでしまった。
刹那さんが口を開く。
「君のお兄さんのことはわかった、でも腑に落ちないところがある。私の見解だが、五十八の怪異を殺しただけでは焦熱へと落とされるほどの罪とは思えない。現に一体は人間に危害を加えた怪異であるはずだ。そのほか殺害した怪異がすべて無実だったとはどうも思えない。おそらく怪異殺し以外の罪があるはずだ。もちろん憶測にすぎないが、焦熱へと落とされるのだとしたら怪異殺しのほかに何か罪を犯している可能性が高いね。なにか心当たりは?」
刹那さんが彼岸へと問いかける。
彼岸は首を横に振った。
「そうか、だが現状その情報しかないのであればただの憶測にすぎないからね。ではこうしよう、今度は彼岸が怪異殺しを行った際の話を聞かせてもらう代わりに、私が焦熱へと赴き、君のお兄さんと話をしてこよう。ただ、優先してやるべきことがあるから、時間はもらうことになるが、約束しよう。どうだい?」
刹那さんは再び彼岸へと問いかける。
「もとより怪異殺しの話はしてやるつもりだったが、見返りが得られるのなら協力しよう。お兄様の件は私が最優先にすべきことだ。」
刹那さんは彼岸へと微笑みかけた。
彼岸はそれを見て少し目をそらし、口を開く。
「私が怪異殺しを行ったのは、すこし前に行われた百鬼夜行の際だ。空亡が特定の怪異を集めて百鬼夜行を行うと知らせが届いてな、その中に私の名前とお兄様の名前が記されていたんだ。
その時はまだお兄様が焦熱へと落とされたことを知らなかったからな、何か情報が得られるんじゃないかと思って空亡の元へ赴いた。
だがそこにはお兄様の姿はなく、数多の怪異が居るばかりだった。不審に思いながらも私は百鬼夜行に参加し、現世へと赴いた。
その際に空亡が連れてきた怪異の一体が、お兄様と共に怪異殺しを行っていたと私に言ったんだ。その時にそいつが持っていた剣がお兄様の物だと分かった私は、その怪異を問い詰めた。そいつは兄を騙し、剣を奪い取ったと誇らしげに話してくれたよ。だからそいつは私の手で殺してやった。
それを見た空亡が百鬼夜行に参加した怪異に言ったんだ、この中で最も力のあるモノの罪を清算すると。私はその時に嵌められたと理解した。その怪異を私が殺すことをわかっていたんだ。その怪異を殺した瞬間、私も邪の仲間入りだからな。その時に気づいたよ、そこにいる怪異達は皆、邪なのだと。
そうして、自らの罪を清算しようと怪異達の争いが始まった。空亡にそんな力があるとは思っていなかったが、奈落へ落とされることを恐れた怪異達はその言葉にすがったんだろう。
怪異殺しの力を持たぬものは自身よりも弱きものを取り込み、怪異殺しの力を持つものはそいつらを殺した。私も抵抗するために五十八の怪異を返り討ちにした。そうして最後まで生き残ったのが私だった。
生き残った私に空亡が兄のことを話した。そこで兄の顛末を知り、空亡が私を幽世へ連れ帰ったのち、隙を見て天神のところへ赴き奈落へと至ったというわけだ。」
彼岸が話を終えると、刹那さんが口を開いた。
「なるほど、やはり空亡が動いていたか。おそらく空亡は蟲毒を行ったんだ。怪異殺しの力をより高めるためにね。元から狙いは彼岸、君だったのだろう。鬼人は怪異殺しの力をその身に宿している。お兄さんに怪異殺しの剣を造らせ、それを手に入れようとしたんだろう。だが空亡の求める力まで達していなかった、だから空亡は君のお兄さんを使い、怪異殺しの力を高めたんだ。だが何らかの事情でその剣は君が殺した怪異へと渡ることになり、お兄さんも焦熱へと落とされることとなった。だがわからないのが、なぜ空亡がそこまで怪異殺しの力を欲しているのか。
考えられる理由とすれば、殺したい怪異が居る、これは真君へ呪いをかけた怪異と一致している。だが生贄を欲しているのが空亡だとしたらわざわざ掟を破ってまで百鬼夜行を行う必要がない。掟を破るという事は大罪だ。自らを奈落へと落とすのと変わらない。だがその危険を冒してまで百鬼夜行を行って力を得ようとしているということは、空亡が生贄の呪いを施した怪異ではないと考えられる。
今は動きがないにせよ、生贄を完成させればすむ話だ、待つだけでいい。
だが、早急にその力が必要なのだとしたら話は別だ、なぜそこまで力を欲するのか、それは自身の身を守るために怪異殺しの力が一刻も早く必要だったという事だろう。すなわち、空亡は何者かに自身の命が狙われていることを察し、その対策として怪異殺しの力を欲しているという事だ。返り討ちにするためにね。」
刹那さんが一息ついて続ける。
「空亡は、何者かに命を狙われているため、百鬼夜行を強行して力を得ようとした。空亡も力ある怪異の一体だ、そんな空亡が恐れるだけのものがある。それは何か・・・強大な怪異殺しの力、生贄が完成され、それが自身に向けられている可能性を感じ取った。
恐らく天狗山と夜刀神の一件は空亡が起こしたものだろうね。真君という生贄がこの幽世にやってきて、いよいよ行動に移したのだろう。事前に準備していた駒を動かし、どの程度の怪異が殺せるのか、それをもって不足と考え、今回の蟲毒を行った。だがそれは失敗に終わり、今に至るというわけだ。
だがこれでわかった、生贄を欲しているのは空亡ではない、そして空亡は誰が自身の命を狙っているかわかっている。
やるべきことがはっきりした。私たちは空亡と対峙しなければならない、そのためには真君の身を守ることを考える必要がある。私は少しやるべきことができた。彼岸、話してくれてありがとう、申し訳ないが君の罪は消えることはない、だが情状酌量の余地はあったというわけだ。すまないが私はもう一度閻魔と話をしてくる、真君と咲夜は、彼岸を連れて炎羅のところで待機していてくれ。」
刹那さんはそう言うと、足早に来た道を戻っていった。
僕たちは刹那さんに言われた通り、炎羅の工房へと戻った。
「これはまたずいぶんと珍しいな。鬼人とは、まだ残っていたのだな。」
炎羅さんは彼岸を見るなり口を開いた。
炎羅さんも鬼の怪異だ、鬼人が受けた人間の扱いは、鬼が由来している。
この二体を一緒にするのはまずいのではないかと思った。
「お前、赤鬼の怪異だな。」
赤鬼の怪異、僕は今まで鬼の怪異というのは赤い体色をしたモノしか会ってこなかった。
わざわざ赤鬼と言っているという事は、違う種類が居るのだろうかと疑問に思い、彼岸に問いかけた。
「赤鬼のほかに違う種類の鬼が居るんですか?」
彼岸はため息をついて言った。
「鬼の怪異には、赤鬼と青鬼が居る。私たち鬼人は、青鬼と人間の間に産まれた半異なんだ。もともと赤鬼と青鬼は共存する形で幽世で生きていたが、青鬼が身勝手な理由で赤鬼を滅ぼそうと戦いを仕掛け、敗北した後、幽世での行き場を失って現世へと移り住んだんだ。そうして人間たちとも戦いを繰り広げ、結果、青鬼は数を減らした。もちろん鬼人も同じだ。青鬼たちがしでかしたことの尻ぬぐいをするためだけに生きていたようなものだ。それは赤鬼にも言えることだ、申し訳ないと思っている。青鬼を恨むことはあっても、赤鬼を恨むことはできないよ。」
「青鬼がしでかしたことは決してゆるされることじゃないが、お前たち鬼人が悪いわけじゃない、俺達赤鬼だって現世に住んでいた奴も居る。俺もその一人だった。人間からしたら青鬼も赤鬼も大差ないさ。だが俺が居た時代の現世はまだ青鬼が悪さをする前だったからな、人間との共存というのも悪くなかった。お前が気にすることじゃないさ。」
炎羅さんはそう言うと、黙々と作業を続けた。
どうやら造っているのは僕の物らしく、依頼した通り仕事をこなしてくれているようだ。
数が増えても相変わらず沈黙が続いていく。
正直かなり気まずい。
刹那さんへ早く戻ってきてくれと念を送る。
その思いが通じたのか、刹那さんが戻って来た。
「すまない、話をつけてきた。彼岸、君の罰の執行は一時見送られることとなった。」
そう言うと、刹那さんが何かを掲げる。
すると、彼岸に刺さっていた杭が抜け落ち、代わりに木札が彼岸の前に現れた。どうやら閻魔の城で見たものと同じもののようで、相変わらず何が書いてあるかは読めなかったが、それを見て彼岸が驚きの表情を浮かべる。
「どういうことだ?私の罪を一時保留とし、罰の執行を取りやめることとする?何を考えている?」
「閻魔へ先ほど聞いた百鬼夜行の件を伝えた。閻魔も事の重要性を理解してくれてね、罪を見直す代わりに、こちらでこの件を解決せよと、解決の後、改めて審議を行うそうだ。すまないが決定事項だ。彼岸は私たちに協力してもらう。もちろん、お兄さんの件も進めて行くと約束しよう。」
刹那さんはそう言うと、僕たちの方へと顔を向け、話を続けた。
「これから説明することをよく聞いてくれ、私たちは、閻魔より依頼を言い渡された。
一つ、空亡の凶行を阻止し、空亡を奈落へと落とすこと
二つ、生贄の呪いを施した怪異を突き止め、これの罪を明らかにすること
この二つが閻魔からの依頼だ。この件は天神にも報告する必要がある。奈落へと落とすには天神の判断が必須になるからね。奈落での用事が終わり次第、すぐに天神のところに向かおう。それから、雛菊たちとも合流しなければならない。空亡への接触を試みているはずだ。だが空亡は今回の失敗を経てなにか策を講じているだろうからね、あちらの方が危険だ。」
閻魔からの依頼を聞かされ、大変なことになってしまったと思った。
空亡は己の身を守るために、呪いを施した怪異は呪いを成就させるために、僕達を狙ってくるだろう。
そうなったとき、僕一人ではどうすることもできない。
今は長屋を守ってくれている夜刀神も、咲夜さんや刹那さんさえ敵わないような相手だったら、僕はどうしたらいいのだろう。
そんな心配を胸に、僕は刹那さんに問いかけた。
「あの、空亡の目的はわかりました。ただ僕に呪いを施した怪異は、空亡だけが狙いなんでしょうか?」
「私の考えでは、空亡も標的の一体だろうと思っている。空亡だけを殺すのであれば、空亡を殺せるだけの生贄であればいい。けれど君にかかっている呪いはその比ではない。前にも話したかもしれないが、私には全貌を図ることはできない、だが、天神さえも殺し得る呪いなんだ。君が生贄として完成すれば、おそらくこの幽世中の怪異が殺されるだろう。それほど強力なモノなんだ。だからこそ、天神も、閻魔も動いている。
これは、君だけの問題ではなくなってきている。幽世全体を揺るがすほど大きなことなんだ。」
刹那さんが興奮気味に言った。
とても大きな話になっているのだと改めて理解した。
「という事で、すまないが炎羅、君に仕事を急いでほしい。私はこのまま黒縄へと赴こうと思っている。獲物が完成したら、それを真君に渡してくれ。咲夜は真君と彼岸を連れて一旦店に戻ってくれ。その間の護衛を頼む。彼岸にも真君の護衛を頼みたい。」
彼岸は刹那さんの言葉に頷いた。
「それじゃ咲夜、後のことは君に任せるよ。奈落からはこれを使って出てくれ。」
刹那さんから咲夜さんへ何かが渡された。
咲夜さんはそれを握りしめ、刹那さんと言葉を交わしていた。
それからすぐに刹那さんは黒縄へと出発してしまった。
「咲夜さん、彼岸、よろしくお願いします。」
僕は二体に頭を下げた。
二体とも軽く会釈をし、炎羅の仕事が完了するのを待った。
しばらく工房で待っていると、炎羅が言った。
「よし、出来上がったぞ。真、お前でも扱えるよう短刀にした。持っていけ。」
炎羅から渡されたのは、黒い刀身をした短刀だった。
刃渡りは二十センチほどで、柄は綺麗な白色をしており、何やら包帯のような白い布が巻かれているようだった。
「ありがとうございます。大事に使わせてもらいます。」
そう言って僕が短刀を鞘へ納めようとすると、咲夜さんが口を開いた。
「見事なものですね。これだけの武器を打てるとは。」
「褒めても何も出ないぞ。さっさと上へ帰れ、もたもたしてる時間はないんだろう?」
炎羅さんは少し恥ずかしそうにそっぽを向いてしまった。
僕たちは、刹那さんに言われた通り、来た道を戻り、地上へと帰ることにした。
くぐってきた鳥居を探して歩き出す。
僕の前に咲夜さんが、後ろに彼岸といった布陣だ。
鳥居を目前に、咲夜さんが立ち止まる。
腰の刀に手を添えて周囲を警戒する。
「何者かが私たちを狙っていますね。」
僕には全く変化が分からなかったが、どうやらよからぬことが起こっているらしい。
すこしすると、咲夜さんが何もない空間に太刀を浴びせる。
そこから地面にボタボタと血が落ちていくのが見えた。
「恐ろしいな、よく私の位置が分かりましたね。」
姿を現したのは、犬の獣人のような見た目をしたモノだった。
犬の耳を頭に生やした黒髪の青年だ。
和装を身にまとい、体の周りに霧のようなものが立ち込めていた。
「その霧のようなもので姿を眩ませているようですね。位置を見誤りました。」
切っ先に付着した血を払いながら咲夜さんが言った。
「いやはや、怪異とは恐ろしいものです。私の術を見破られるとは思いもしませんでしたよ。少し侮っていたようです。申し遅れました、私は天空と申します。主が僕の一柱でございます。騰蛇が敗れたと聞いて来てみたら、相手が違ったようですね。」
騰蛇は以前に襲い掛かって来た式神の名だ。夜刀神が追い返してくれて事なきを得た。
「式神、渡し屋殿がおっしゃっていたモノですね。形代を媒介として顕現しているが故、倒しても本体にはさほど影響はないと。力も本体には劣ると聞いています。邪魔をするようであれば切り伏せることになりますが、いかがいたしますか?」
咲夜さんは鋭い眼光を天空へと向けた。
「ふむ、勝ち目はなさそうですが、一旦様子を見るのも必要かと思いますので、ぜひ手合わせ願いたい。」
天空は咲夜さんへ返す。
「もたもたしてる暇はないんじゃないのか?私は人間がやられないようにしておいてやるから、さっさと片づけてくれ。」
僕の後ろで彼岸が言った。
咲夜さんは鞘に収まった刀に手をかけ、抜刀の構えをとった。
「恐ろしいほどの殺気、これは我が主でも手を焼くことでしょう・・・お手並み拝見。」
天空はそう言うと、両手から黄色い砂を巻き上げた。
それはみるみる天空の身体を包み込み、バラっと地面に落下した。
そこに天空の姿はなく、どこかへと消え去った。
ふわっと風がふいたかと思うと、薙刀の切っ先が咲夜さんの首筋に向かって放たれた。
それを難なく交わし、咲夜さんは刀を薙刀の握る腕めがけて振りぬいた。
見事に薙刀を握る腕ごと切り裂き、天空の両腕と薙刀は地面へと落下した。
天空は苦悶の表情を浮かべ、地面に伏した。
「まさか、これほどとは・・・本体であってもあなたの動きを捉えることはできませんね。ですがいい収穫になりました。あわよくば人間の少年を捕まえてくる手筈でしたが、それ以上の収穫になりそうです。」
どうやら天空は僕を捕らえてくるように言われていたようで、その機会をうかがっていたらしい。
あまりの力量の差に情報の持ち帰りだけを選択したようだった。
「あなたの言う主とは何者ですか?」
咲夜さんが天空に問いかける。
「答えると思いますか?」
咲夜さんはため息をつき、一瞬のうちに天空の首を切り落とした。
切り落とされた首から形代がひらりと地面に落ちた。
そのまま体は消し炭となり、霧散していった。
「なるほど、これが式神ですか。聞いていた通り厄介なものですね。」
咲夜さんがぽつりとこぼした。
僕達は奈落を抜け、地上へと戻って来た。
刹那さんの店に向かう道中、会話はなく、皆黙って歩いていた。
色々なことが起こり、まだ整理しきれていないのが現状だった。
久しぶりに見たような感覚に陥ったオレンジ色の空は、どこか温かみを感じた。
どこまでも広がる空に、僕はふと不安を覚えてしまった。
それは、今までにはなかった感覚であり、この時の僕は理解することができなかった。
その不安は、これから起こる事の前兆にすぎなかった。




