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野良犬と宝石のお姫様  作者: 鶴野江
第1章 絵本の続き
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第1話 プロローグ 雪解け

 (会いたい…あの人に会いたい……)





 北の山の遅い春の日。

 雪解けと共に冬眠から森の動物達が目を覚ますころ、ひとりの少女も目を覚まそうとしていた。氷のような水晶のようなガラスの棺に封印されているかに見える少女は、何年眠っていたのだろうか?人が訪れることない森の奥で…



 だがそんな森の奥にも関わらず、足繁く通っていた人物はいたようだ。その人物はいつも少女に語りかけていた。その声は微かだが、眠っている少女に届いていた。そして少女に安らぎをもたらしていた。


 ある日、意識の奥に届いていた声が聞こえなくなり少女は不安になった。


(声が聞こえない…ずっと来ていたのに…あの人…どこにいるのかな?)


 ビキ…ビキ…ビシと音を立て、棺にひびが入っていく。


(会いたい…あの声の人に会いたい…)


 少女が会いたいと願う度にひびが入っていく。


(あの人に会いたい…)


 ついには結晶が崖に堕ちる氷床の様に砕け、中から少女が崩れ落ちた。

ヒロインの目覚め

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