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私Aは私Bを呼んだ  作者: 源義史
Bの世界
9/23

再会

 それから二週間経った。その間の私の暮らしは、順風満帆だった。皮肉交じりに言えば。


 もう一つの世界は、現れなかったのだ。もう二度と現れることはないのだろうか。あれで最後だったのだろうか。二週間も放置された私は、あの世界を心の底から強く求め、また、そうし続けなければどうしようもない体にさせられていた。


 もし、今ここで現れたなら、私は、あれの虜になってしまうだろう。


 そう思ったのも束の間。急に、目の前に白いもやが立ち込めた。耳は遠くなっていき、サーッという、自分の血液の流れる音だけが聴こえてくる。


 まさか、来たのか。このタイミングで。あの世界は恋の駆け引きのプロなのか。私は、驚きを通り越して感心していた。だが、そのおかげで冷静さを取り戻すことが出来た。


 間違いない。もうすぐそこまで来ているのだ。私は必死で、自分の意識に力を込めた。どうしよう。やっぱり怖い。何だか死ぬ気がする。私の身体では、恐怖心と好奇心とが入り混じった汗が、私の皮膚を削るように、いくつもいくつも、流れていた。


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