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ー精霊の森②ー

ーーーーーーーーーーー


レオを加えた6人は門を抜け、精霊の森へと向かう。



薪を拾うための目的地も精霊の森らしい。



「レオ、お前聖霊の森は初めてなんだろ?何しに行くんだ?」



先頭を歩く赤髪の少年……アーロンが聞いてくる。


「ちょっと探し物をね、皆はどれくらい薪を拾うの?」



レオが尋ねるとアーロンのすぐ後ろを歩くマルコが答える。


「薪は取れるだけ取るんだけど帰るのは日が沈み出したらすぐだよ。暗くなるとモンスターが出やすくなるからね。」



アーロンとマルコはレオよりも2つ年上の12歳。


レオの後ろを歩くカーラとトムはレオと同じ10歳。


レオの横を歩くミリアは1つ下の9歳らしい。ミリアはアーロンの妹であった。



5人はクラウベルグにある孤児院に住んでいて、生活に使う分と、売って生活の足しにするための薪を毎日拾っているらしい。



「森に入ったら僕は1人で行動するけど街に入るためにまたみんなの列に紛れさせてもらいたいんだ。みんなが帰る頃には合流するよ。」


この世界には個人が持つ腕時計などないため時間を合わせて合流することは難しい。



町にいれば教会が時を知らせる鐘を鳴らしてくれるが、森では聞こえるかも怪しいだろう。



「じゃあレオが戻って来るのを待つことにするけど、1人で森の中を歩くのは危ないよ?」



「そうだぜ?日中は魔物はそんなに多くないけど、逸れたゴブリンとかがたまにいるんだ。」


心配するマルコにアーロンが同調する。



「大丈夫だよ。それよりこの近くで大きな洞窟とかあるかな?」



レオは本で読んだ限りの洞窟の見た目を説明する。



「それならきっと森の真ん中にある洞窟だと思うけど。あそこは確か大人たちが入っちゃいけないって言ってた場所だよ。」



マルコは会ったばかりのレオをとても心配している。


心根の優しい少年のようだ。



「僕家にずっといたから洞窟とか見たことないんだ。だから外からちょっと眺めるだけだよ!入ったりしないって。」



レオはそういうが、もちろん入る気満々である。



「そう?ならいいけど、あまり遠くまで行ったら危ないからね?」



ーーーーーーーーーー



ほんの数分歩けば、一行は精霊の森に到着した。



レオはマルコから洞窟の詳しい場所を聞き、お礼を言って1人離れる。




「よし、これで初めての魔法を使えるようになるぞ。」



ワクワクしながら洞窟へ向かう。


一応周囲に魔物や動物がいないか確認しながらだ。




幸いにも洞窟はすぐに見つけることができた。


「本に書いてたよりでかいな。」



丘のように盛り上がった土にぽっかりと巨大な穴が空いている。


入り口には人の手によって作られた木枠があるがしばらく使われていないようでほとんど腐っていた。



「これ、崩れたりしないよな。」



洞窟を目の前にして足がすくむ。



レオは肩かけ鞄の中から本を取り出してもう一度洞窟についての記載を見る。


中に魔物などはいないらしい。


「行く…か。」



未知の世界での未知の領域に、少し震える脚を踏み入れる。



中に入ると、空気が変わった気がした。


ひんやりとした空気は、どこか緊張感があるように思う。



まるで、常に誰かに見られているような感じだった。



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