表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

砂漠の樹はなぜ枯れないのか

作者: あおざる
掲載日:2020/02/22

砂漠に一本の樹があった。大樹と言っても過言ではないその樹は、砂漠の中にぽつんと、だが雄々しくそびえていた。樹は巨大ゆえに、砂漠を行き交うものたちの目印となっていた。そして全てのものたちの憩いの場であった。太い幹は砂嵐にも耐え、葉は生い茂り、枝を広く伸ばして、その下に休むものを太陽の日差しから守っていた。水場こそないが、広がった枝の下にいると、暑さが和らぐ気がした。


ある時、砂漠を渡っていた行商人が砂嵐にあい、命からがらその樹の下にたどり着いた。一緒にいた者たちは散りぢりになり、もはや出会う手段はなかった。荷物どころか水もない。万事休すか思われた行商人だが、その樹を見て思いつく。そうだ、植物には水分が必要のはずだ、そうなると、この樹の根を掘れば水分が出てくるのではないか。


行商人は力を振り絞って根に沿って穴を掘り始めた。道具はなく、己の指を土かきがわりに懸命に穴を掘った。しかし掘れども掘れども水分は出てこなかった。落胆以上に疲れが大きい。行商人は穴の中で座り込んだ。


日が暮れて、日が昇る。だが行商人が目を覚ますことはなかった。


行商人は事切れる前に気づいていた、あぁ私が水分になるのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ