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#戦い

「うおおおお!」



 我の直前で大きく踏み込んだアルスが、脳天を狙って剣を振り下ろす。


「はあ!」


 即座に、鎌を突き上げるようにして一撃を弾く。

 高く突き上げた鎌をアルスの首後ろに下ろして、手前に引くようにして首を狙った。

 アルスは体を屈めてかわすと、雷撃の呪文を我に向かって放った。



「闇の鏡よ、弾け!」



 我は左手にためた暗黒魔法で体の前で円を描き、ミラーシールドを作ると、これを弾いた。

 その間、アルスは剣を素早く中段に構え、左から我の脇腹を狙って、再び切り込んできた。

 とっさに左足を後ろに引き、体を半回転させて、アルスの胸元に飛び込むと、鎌を握った右手でアルスの頬を思いっきり殴った。

 同時に、我はアルスのヒザ蹴りを腹に喰らっていた。


「フッ」



 頬と腹を押さえて、お互いにニヤリと笑うと、アルスは先ほどより大きな雷撃を、我は闇の力を手の平に集めて解き放った。



 バチバチ……‼︎‼︎‼︎



 凄まじい稲光と闇の渦が、ふたりの間で音を立ててぶつかり合う。

 体が押し流されないように足を踏ん張ると、我は雷撃を、アルスは闇を押し流そうと、両手に体中の魔力を注ぎ込む。


「ぐぐぐぐぐぐ………‼︎」



 こめかみに血管が浮き出て、体中に汗が噴き出る。



「絶対に負けるかぁあああああ‼︎‼︎」



 気合いを込めて絶叫する。

 同じ力でぶつかり合ったエネルギーの塊は、行き場をなくし、強大な衝撃波となってお互いの元へと返ってきた。


「ああああっ‼︎‼︎」



 とっさに身をかばうも、我は壁に、アルスは窓ガラスに、背中から叩きつけられた。

 息が止まりそうな衝撃が全身を襲う。

 しかし、そんなことはかまっていらない。


 素早く立ち上がると、再び鎌を構えてアルスに向かって走り出した。



 武器、呪文、体ーー。

 持っているものすべてを相手にぶつける。



 パターンは異なれど、お互いに倒れるまで何度も同じことを繰り返す。

 かわせなかった攻撃や呪文が体を切り裂き、ドクドクと血を流すが、高揚しているせいか、まったく痛みは感じなかった。


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