#オーガ、#最強、#助っ人
「いまにみてろ」
チヤホヤされて調子にのっている勇者に天誅をくらわすべく、人間界の外れにある、山奥の村カストへ討伐に向かうことにした。
魔王就任3日目にしてクライマックス。
だがそれでよい。
勇者がレベルアップしたら、勝ち目はないのだから。
「万が一、負けたり、相討ちになるのは絶っっ対にイヤだ」
なので、魔界高校最強のヤンキーコンビ、”ストロガノフ”くんと、”ザンギ”くんに同行をお願いした。
ともにオーガ族なので、バカだがめっぽう腕は立つ。
ちなみにストロガノフは赤髪の二重。
ハッキリとした顔立ちでケンカっ早く、卑怯な性格で有名。
一方のザンギは青髪の一重で男くさい顔。
ヤンキーのくせに真面目で、曲がったことが大嫌いというこじらせているタイプだ。
ふたりとも魔界ヤンキーの間で流行っている、ワンショルダーのダボッとした道着を、髪の色と合わせて着用している。
ヤンキーのセンスはまったくもって理解できない。
余談だが、我の本日のファッションは漆黒のアーマーに真紅のマントが差し色。
魔笛にもなる巨大な鎌を持って、ワンランク上のおしゃれを実現した。
高校裏にあるヤンキーたちのたまり場に行き、同行をお願いするのは非常に怖かったが、勇者に殺されることと天秤にかけたら背に腹は代えられない。
「あぁ? なんだテメー?」
最初は話が通じずにからまれたが、助っ人料としてひとり10万オカネーを支払うことを提案したところ、快く引き受けてくれた。
小学校の頃から、お年玉を使わずに貯めていたことが功を奏したといえよう。
ヤンキーたちの気が変わらないうちに早々出発する