表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/93

#魔界No.1、#キャバ嬢

 思い立ったが吉日。

 ハニートラップ計画を実現するために、魔界歌舞伎町NO.1キャバ嬢をスカウトに行くことにした。


 魔界歌舞伎町は、魔界の中央にある、魔界城の真後ろにある一帯を差す。

 飲み屋やカジノ、さらにはちょっとエッチなサービスをする怪しげな店が立ち並ぶ、男のお楽しみスポットだ。


「お兄さん寄ってかない? いい子いるよ!」

   

 メイン通りに入った瞬間、キャッチが擦り寄ってくる。

 ぼったくりは日常茶飯事なので甘い言葉にはのらない。

 華麗にスルーしながら数分歩くと、いかがわしい魔界歌舞伎町でもひと際目立つ、ドギツイピンクと紫で城をイメージした店にたどり着いた。


 『bloodブラッディ


 シャレた英字で、看板が掲げられているその店が本日の目的地。

 重厚な扉を開くと、黒服に身を包んだいかついデーモンが現れる。


「いらっしゃいませ。ご指名は?」

「あっ、あの。No,1を⋯⋯⋯⋯」


 雰囲気に押されて軽くキョドる。

 いかがわしい外観とは異なり、店内はモノトーンを基調にしたモードな雰囲気だ。

 金持ちそうなIT系魔族が、隣に美女をはべらせて高級そうな酒をあおっている。  


「座るだけで5万オカネーか⋯⋯⋯⋯。さすが高級店だな」


 こうしている間にも金がかかるので手短に済ませたい。

 セット料金に含まれている、血のワインを飲みながらNO.1を待つ。

 財布に現金とカードが入っているのを何度も確認した。 


「こんにちは〜」


 途中、本日入店したという、トロールの新人キャバ嬢が我の隣に着く。

 樽のような巨漢に金髪ロングという地獄の組み合わせ。

 髪には花飾りをつけ、おしゃれ心を演出している。

 顔には三日月を並べたような目がふたつと、顔半分を占める分厚い唇がついていた。


 トロールは我に断りも入れずにフードを大量オーダー。さらに、


「ウチ、退屈~。なんか面白い話して~」


 とほざいた。

 店に入ってから2時間。いまだNO.1は我の席につかない。

 トロールの恋バナに相槌を打つのも限界だ。


「あの、そろそろチェック⋯⋯⋯⋯」


 しびれを切らして、帰ろうとしたとき、


「お待たせしました。サキュバスのリコッタ・チーズです。ご指名ありがとうございます」


 魔界歌舞伎町NO.1キャバ嬢のおでました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ