“蒼井優”の巻!
【蒼井優】
福岡県出身
代表作:『鉄コン筋クリート』『フラガール』『クワイエットルームにようこそ』
オススメ:『百万円と苦虫女』
漢字検定を加算して、早々に単願推薦で高校入学を決めた俺には勉強の習慣がなかった。いや、努力の習慣が皆無だった。恋に部活に勉強に忙しいはずだった俺のバラ色の高校時代は、高校のあった町のあちこちにある酔っ払いのゲボ色だった。
そんな時期に公開された『ハチミツとクローバー』。俺とは無縁の美男美女たちがズンダ餅を喰いすぎた後のゲボようなまぶしいくらいの若草色の色恋沙汰を繰り広げた。同年、モッチャン(4回連続4回目の登場)から借りた『蟲師』、『フラガール』『鉄コン筋クリート』と立て続けに出演。
ゲボ色の青春を送った俺は専ら映画と、高1の秋に始めた物書き作業だったが、蒼井優は俺が高1のあの時にブレイクして以降、女優としての王道を驀進してきた。
高1になり、物書きを始めた2006年から、俺はその年に観た映画の記録をつけ始めた。その記念すべき初年度のナンバーワン映画は、蒼井優と二宮和也が声でダブル主演の『鉄コン筋クリート』。“まち”を開発から守るために“とぶ”ぐ犯少年、クロ(二宮和也)とシロ(蒼井優)の物語だ。この映画は他にも伊勢谷友介や本木雅弘、宮藤官九郎、大森南朋など本職ではない声優が多く参加しているが違和感はない。この映画でのシロは、善の化身のような役回り。『蟲師』では主人公ギンコと旧知の仲の淡幽役。2010年の俺ナンバーワン映画『REDLINE』であヒロインのソノシー・マクラーレン役(声の出演)。昨年も『ペンギン・ハイウェイ』でのお姉さん役は激エロだった。
だがしかし、知りたいのはそんな清廉潔白な優等生、蒼井優の話じゃあねぇだろう?
どんなに蒼井優が否定しようが、どんなに南海キャンディーズの山里亮太が否定しようが、世間に浸透した蒼井優は“魔性”、そのイメージは覆られないし、スポーツ紙やネットニュースに書かれたその恋愛遍歴は消えないだろう!? 俺の意見をハッキリ言おう! 蒼井優は“魔性”だ!
だが何の文句がある! 俺は蒼井優の家族でも関係者でもない。映画に出られないほどの不祥事を起こさなければ素行は何をしてもいいと思ってる。個人の意見だが、生活が優等生じゃない役者さんほど、そういう生活が芸の肥やしになっているのか、演技では輝いている印象がある。例えば長澤まさみや仲里依紗、松岡茉優あたりはあまり優等生とは言えない。だがこの二人の演技は好きだ。逆に優等生イメージの強い土屋太鳳や綾瀬はるかは面白くない。
事実、ロリ系のルックスな蒼井優は『るろうに剣心』の恵、声の出演だが『REDLINE』のソノシーや『ペンギン・ハイウェイ』のお姉さん等、ダーク/セクシー/妖艶系の役が多くなっている。
マジメな優等生では、なかなかダークな役は演じられんよ。だが“魔性”で何が悪い? その毒々しい雰囲気があるからみんな蒼井優に惹かれ、未だに仕事が尽きないんだろう? あのロリ系のルックスで“魔性”! モテない訳ゃねぇだろう。山里亮太も今後苦労するだろうさ。まぁぶっちゃけこの夫婦、両方アクが強すぎて長続きはしないと思うが、順風満帆な仕事は蒼井優、山里亮太ともに頑張っていただきたい。
蒼井優には『鉄コン筋クリート』『REDLINE』の他にもう一つ思い出深い映画がある。ゲボ色の青春時代を過ごした俺だが、かなりマシになった大学時代。図書室には映画のDVDがたくさん置いてあった。「ムッシュお前映画好きなんだろ。一本選べよ」とジャンルとかも指定されず一本を選ばされ、俺が手に取ったのはクエンティン・タランティーノの『キル・ビル』だった。『るろうに剣心』の高度な殺陣を知ってしまった今観ればシッチャカメッチャカだが、当時の俺にとって『キル・ビル』は殺陣の最高峰だった。当然受け入れられず、俺は一人で、蒼井優主演ってことで『百万円と苦虫女』を観た。この映画は、同棲中の彼氏の荷物をすべて捨てて訴えられた主人公(蒼井優)が、海や山、町など、ありとあらゆる場所で「100万円稼ぐまで泊まり込んで働く」映画である。とにかくダメな女なんだァ。そこがたまらん危うさで、蒼井優の危うい魅力が際立つ。
今後、出産などで忙しくなり、蒼井優の仕事は減っていくだろう。個人的に、蒼井優の持つ危うさとダークさを受け継いでいるのは高畑充希だと思っている。