"大泉洋"の巻!
【大泉洋】
北海道出身
代表作:『茄子 アンダルシアの夏』『探偵はBARにいる』『駆込み女と駆出し男』
オススメ:『探偵はBARにいる』
ご存知! 大泉洋。モジャモジャ頭とマシンガントークでお馴染み。今でこそ毎年主演作が公開される大泉洋だが、彼が順風満帆な俳優生活を送ってきたかと言うと実はそうではないのかもしれない。
北海道での劇団生活は充実していたかもしれない。史上最強のローカル番組『水曜どうでしょう』(詳細は割愛)でローカルタレントとしての地位を確立し、『おにぎりあたためますか』『1×8いこうよ!』に出演して、タカアンドトシや平成ノブシコブシのような北海道出身の芸人に最初に立ちふさがる北海道の脅威として生きる道も……。
それでも大泉洋はローカル(マルチ)タレント→ドラマの脇役→映画の主役級→日本アカデミー賞・三谷組常連とのし上がった。
それでも拭えない、コメディ専門・コメディリリーフの印象はある。映画を観ていて過剰に笑いを課されているな、と感じることも多い。バラエティでもとんねるずやナイティナインにいじられていたり、寺田心に対する我々のような嫌な大人の気持ちを代弁した一喝……最近でも舞台挨拶等では笑いを取りまくっている。「演技もできる面白い人」で、ある一種の不遇の時期はあったのだ。若手時代も、序盤の舞台が北海道だった『ガメラ2 レギオン襲来』に安田顕、鈴井貴之と共にエキストラで出演し、大泉洋だけ地下鉄でレギオンに殺されてしまう役(しかも停電で顔がよくわからない)、社長である鈴井氏のミスで唯一エンドロールに名前がクレジットされなかったという不遇もあった。
今でこそ『どうでしょう』信者になってしまった俺だが、大泉洋を知ったのは↑で言えばドラマの脇役期。実写版『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男役とかの頃だ。
実は今後もよく出てくるであろう友人、モッチャンから、小学生の頃に『水曜どうでしょう』を勧められていたが我が家はチャンネルが少なく観ることが出来なかった。しばらくしてから妹の美人な友達にも勧められたが観なかった。妹の美人な友達は最近結婚することになり、それを母と妹と3人で食事している時に知ったのだが、母が「アンタあのコのこと好きだったでしょ? 残念☆」と煽ってきたな。妹の友人への感情を話したことがあったのは草野球チームの大阪人ユーキくんにしかないのだが、どうやらバレバレだったようだな。でも妹の前で言わないでほしかった。
話が逸れたな。でもこの随筆、一応取れ高は毎回1500字以上って決めてるから余談を挟まないと今後はもたねぇ。
個人的に大泉洋の歴史で大きな潮目になったと感じるのは『茄子 アンダルシアの夏』『探偵はBARにいる』。
『茄子 アンダルシアの夏』は黒田硫黄原作のマンガ『茄子』の一節をピックアップした自転車レースのアニメ映画。大泉洋は主人公のペペ・べネンヘリを演じた。この映画ではおふざけはなく、かつての恋人を兄にとられ、重要なレースでその元カノと兄の結婚式に出席することすらできない実に哀愁漂うレーサーだ。しかし続編『茄子 スーツケースの渡り鳥』では、『水曜どうでしょう』の戦友藤村Dと嬉野Dがカメオ出演していたので、役者としてよりも『どうでしょう』を買われた感がひっかかる。
これ以前も『千と千尋の神隠し』などにも声で出演しているが、主役、しかも声の出演という経験は大きかったのかもしれない。これ以降『ブレイブストーリー』『レイトン教授』『バケモノの子』『グリンチ』と声の出演でも信頼されるようになる。
そして『探偵はBARにいる』……。北海道が舞台ということでご当地採用もあったのだろうが、クールだが情に厚く、闇に生きるスゴウデ探偵というハードボイルドの偶像のような役をゲット。年齢的なシブ味も増してきた大泉洋は完全に覚醒しきっていた。『探偵』シリーズは毎回、クライマックスに探偵の“涙”のシーンがある。その“涙”のシーンで探偵/大泉洋の魅力が最大まで解放される。もうジャングルの動物観察小屋や深夜バスで泣いていたシーンは頭をよぎらない。大泉洋は『どうでしょう』の呪縛を乗り越えたのだ。
「バラエティ」「実写」「声の出演」の三刀流を完全にこなせている数少ない存在と言えよう。いや、三刀流というよりも、各ポジションで経験を積んだ、華麗な技を持つ鯛、といったところか。
日本アカデミー賞の常連になり、内野聖陽、佐藤浩市、役所広司ら長身の俳優と並んで某俳優を公開処刑したこともあった。
俳優業もいいけど、そろそろ『どうでしょう』お願いします。