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ループラインの軌跡 パート2  作者: リノ バークレー
21/72

8-1(21)

〈ファ――ン!〉〈ガタン!〉〈ゴトン!〉…… ……


 僕は新たなループラインの視察を一通り終え、無事15番駅を経由し、

今現在特区に向かっている。

 出来れば全ての町や村を訪問したかったがあまりの数の多さから  

それは現実的ではないのに加え、僕にとってやはり刺激が強すぎたのか

精神的に疲れてしまったのも途中切り上げの理由の一つだ。

 各駅、すなわち各町や村は僕の予想通り住人の性格や考え方の基本が

同じ者同士で形成されており、それにより各生活環境の大きな違いが

とても興味深かった。

 列車はつい先ほど26番駅を通過し、あと少しで特区というところ

までやって来た。


〈ファ――ン!〉 


 もうすぐ特区か~。

 この前の町で流行ってたホケンって制度は帰ったら村で早速提案

出来そうだな。

 でもあの町の住人はやたら神経が細かくて心配性だったな~なんでだろ。

 まぁ、だからこそホケンって制度が出来たんだろうけどホケン会社が

潰れたら困るってんで更にその上にホケンを2重にかける必要があるんだ

ろうか? ちょっと気にし過ぎだよな。

 それに家を作るにしてもやたら検査や基準が設けられてるのはイイんだ

けど何回も何回も繰り返すんで中々工事が進まないってのもな~ まぁ、

基本みんな真面目だから数値を改ざんするなんて事はありえないみたいだ

から安全なのは確かだけど。

 それに比べて最後に訪れた町の住人はまさに真逆でホント大雑把で

いい加減だけどやたら前向きって言うかポジティブなんだよな、これが。

 時計なんかも12刻みじゃなく6刻みだったり、刻んてなかったりと

色々個性的なのはイイんだけど待ち合わせとかどうするんだろか?

 まぁ住人は基本同じ性格だから少々遅れてもお互い気にしないのかもね。

 同じ性格って言えば各町の住人の服装から食べ物の味の好みまで似るって

ホント不思議だよな~。

 他に印象的だったのは……あっ! そうそうDYって町の住人は常に人を

見下してるって言うかなんかイヤな感じだったな。

 素直に謝れない人が多いから裁判沙汰が多いのもうなずけるな。

 

 ……おっと、あの男から貰った薬飲むの忘れるとこだった、危っぶね―。


 僕は薬を水で流し込み、窓に反射する自身の顔をまじまじと覗き込んだ。 

 特区に入ったら顔が変わるのか~ この顔もとうとう見納めだな。

 出来れば男前がイイんだけど年齢的におじさんだからあまり期待しても

しょうがないっか。

 それにしても以前ソラちゃんが言ってたように特区には色んな番号の

町や村からの訪問者がある一定数存在するらしいけどこの第2の

ループラインからの訪問者もどれぐらいか分からないけどかなりの確率で

存在するな、ほぼ確実に。 

 ソラちゃんが特区は揉め事や争い事が多いって言ってたけど性格や

考え方が異なる人間が同じ世界で暮らすんだから当然起こりうる事だよな。

 そうなるとやはり各リーダーの役割ってかなり重要かつリーダー次第で

最悪の町に成り下がるケースも十分ありえるよな。


〈ファ――ン!〉 


 ――そんな独り言が終了する頃、列車は徐々に減速し遂に待ちに待った

特区に到着した。

 

 僕はドアが開くと同時にしっかり駅名を確認し、階段横のエスカレーター

に飛び乗ったがそれはまるで僕の期待値メーターと同調するかのように

ゆっくりそして確実に上昇し始めた。

 目の前に近づく改札に心臓の鼓動が敏感に反応するも僕は勇気を振り

絞り一気に通り抜けた。 


 〉〉〉〉〉……!!「あれ?」 


 特に何の変化もなく安心していいのか、果たして失敗なのか分からない

まま再び上昇する長いエスカレーターを駆け上がると大きなピンクの

カエルのフィギュアを横目になんとも気味の悪い光景が目の前に広がった。


「なんだココは? ホントに特区なの?」


 すると徐々に太もも辺りから風が通り抜けるような違和感を感じた

僕は目線をゆっくり下に向けた。


「あぁ~~ あ、足が、足がない――っ! あぁ~~っ!!」


 焦った僕はその場にへたり込んだが、立て続けに今度は両腕が消え

そして胴体と続き、最後首だけになってしまった僕はしばらく地面と平行

に床の先を眺めていたが……、いつの間にか気を失ってしまったようだ。


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