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声高に叫ぶ方々へ

作者: こより

初めまして、こんにちは。

はてさて、なんていって始めればいいのか…あぁ、ごめんなさい。

私はこよりと申します。

女子高生の娘を持つ一児の母です。

自分が物を書く立場になるなど、つい先日まで考えたことも無かったもので、最近始めたばかりのらくらくすまーとフォンから綴っております。

酷く拙い文章で、皆様を苛立たせてしまいましたら大変申し訳ございません。

けれど、どうしても心の内に留めて置けない出来事があり、縋る思いでこの場をお借りして、事実を言葉に纏めて感情を整理することで、少しでもこのもやもやした気が晴れることを願っているのです。

皆様方へ提供できる面白さなど皆無に等しく、どこまでも私の自己満足でしかないのです。

もしこの文章に気が障るような事がありましたら、どうか途中でも読むのをお止めになって、別のもっと楽しいこと、有意義な事に時間をお使いになられては如何でしょう。

他の作家様方が此方のサイトに投稿して下さっている、異世界転生ジャンル?王道ハーレムもの?など、多彩で読んでみるととても楽しいのだと、娘も目を輝かせて申しておりました。

多くの執筆者様方に感謝を。

少々脱線いたしましたが、私の娘の話をさせていただきます。

先週の話です。

私の娘は今年度、強豪校のバレー部でエースアタッカーに指名されました。

監督の期待や周囲からの信頼を受け、大いに責任を感じ、夜も遅くまで残って練習を行っておりました。

最近は暑い日と寒い日、雨の日など、天気も気温も安定しない日が続き、運動量が増えたせいか、体調も崩しやすくなっていたようなのです。

女性なら、若い頃は皆様経験した事があるかも知れませんが、娘も軽い生理不順のようでした。

夕焼けの空も明るさが長引いてくるようになった初夏の学校帰り、急に下腹部が重くなる感覚を覚えたとのことで、まだ周期ではなかったのですが、万が一でも制服を汚したくないと、普段ならば立ち寄らない公園のトイレに入っていきました。

公園は、最近この団地に建てられたばかりのちょっとした大きさの児童公園で綺麗と評判でしたが、もう流石にこの時間に子供はおらず、静かでした。

自治体が普段は掃除してくれているものの、やはりタイル張りのトイレは家と勝手が違っていて、長居する気には慣れません。

幸いにも、まだ始まってはいなかったようで、娘は化粧ポーチに入れたままにしていた持ち歩き用だけ装着し、さっさと出ようとしていたようです。

鍵を開けて個室から出て、洗面台で軽く鏡で髪と制服のリボンを整えて、女子トイレの入り口のジグザクな姿見を通り抜けようとしたとき。

それと、目が合ってしまった、と。

あまりの事に、娘は硬直し、悲鳴も上げられなかったそうです。

最初に認識したのは、各パーツのみ。

濁った瞳に、血走った白目。

リップを塗りたくった唇。

青く髭の剃り跡が見える肌。

頂点が肌色の頭に、揉み上げに混じる白髪。

それは、娘と同じ制服のチェックのリボンで、弛んだ首の肉を締め上げていました。

今の痩せた若い女性達なら三人は裕に入りそうな大きな胸と胴体を、やはり制服のブラウスに包んでおり、今にも破裂しそうでした。

腰から下は、もはや腰簑と言える状態の、夏用の短いプリーツスカートが広がっています。

下はもじゃもじゃとすね毛の生えたなま脚に、ローファーと云うには大きすぎる靴。

あれだけは本来有るべき男性用の革靴だったんじゃないかと今頭を振りながら娘が教えてくれました。

それは、固まる娘にキッと鬼のように眉を上げて、ガツガツと大きな足音を立てて近付いて来ます。

そして、触れそうな位置まで来て立ち止まり、目をそらすことも出来ずに、ただ震えているだけだった娘の顔に顔を寄せて。


「ヒトを外見で判断すんじゃねェッ!!お前も俺のこと変態って思ってんのか!?差別だーッ!!!」


中年男性特有の煙草でしゃがれた、鼓膜が割れそうな怒鳴り声だったと言います。

娘は、その瞬間に恐怖で完全に意識が飛んでしまって、気がついたら家の玄関前に座り込んでいたそうです。

可哀想に、ガタガタと膝が震えていました。

外傷は無く、制服の肘が擦ったように汚れており、靴の裏が異様にすり減っていた事から、恐らく突き飛ばすか何かして、全速力で逃げて来たのでしょう。

瞬発力と野生の本能だけは自慢できる娘です。

もちろん、落ち着かせたらすぐに警察に通報しました。

近所であれば、そう遠からず捕まることでしょう。

さて。

娘の味わった恐怖は兎も角、その方の主張について、落ち着いて話をする事に致します。

私は若い頃、恥ずかしながら語学留学と称してアメリカで生活していたことがあります。

残念な事に、語学の方はサッパリでしたが、思想はなかなかどうして興味深く、その中でレインボーフラッグやゲイ・プライドの精神に触れる機会もありました。

『私には関係無い』と思っている方々も、渋谷区のパートナー制度やカミングアウトした女優さん、バライティー等で活躍するオネェ様方を一度は見たり聞いたりしたことがございますでしょう。

更には オバマ元(にならないでずっと続けて頂きたかった!)大統領が『全国の効率学校区に対し、心と身体の性が異なる性同一性障害(トランスジェンダー)の子が御手洗いに入るとき、望む性別の方に入れるように』と、通達を出していました。

確かに、自分や娘が今の精神のまま男の身体に産まれてきた場合、身体の造りは同じでも男性に囲まれて排泄するのはかなりの苦痛を伴うだろうと想像が出来ます。

かといって、自分の精神に従って女性用を使おうものなら周囲の苛烈な反発は目に見えています。

えぇ、わかりますとも。

個人的な意見としては、コンビニエンスストアのような完全個室の、老若男女マイノリティ誰でも使えるトイレを男女の真ん中に備え付けて下さるのが一番気持ちが穏やかになれるので、法整備に期待しますが、それはそれと致しまして。

上記の制服さん(?)の『差別だ!』発言です。

娘も落ち着いた後には『あの人も、本当に女子高生になりたい人だったのかな…逃げて悪いことしたかも』と落ち込んでいました。

けれど、私は、逃げるのが正解だと思います。

何故ならばその方が、自分の正しさや主張を、怯えた女の子に対して無理矢理押し付けるような真似をしたためです。


現代の技術では、他人の思考や感情まで読み取ることは出来ません。

また、人が犯罪を起こすかどうか、未来予測も出来ません。

ならば、犯罪が起こるのを防ぐよう、事前に対策を打つしか手立てはないのです。

ナイフを振り回して道を歩きながら『俺は人を刺すつもりはありません!』と叫んでも、警察に捕まることでしょう。

女性と男性でトイレが分けられたのは、一番無防備な瞬間にわいせつや強姦から弱い人を守る為です。

差別ではなく、配慮です。

排除でもありません。

女性専用車両について『女性優遇はおかしい』と言って、無理に入ってこようとする男性方も、どうか遠慮してあげてください。

密閉空間で男性が側に立っているだけで、恐怖を経験した人には辛いのです。

急に乗り込んできて『俺は痴漢なんてしない!お前らなんかに欲情なんてする訳ないんだから!』と主張するのは単なる暴力です。

そして、心は女性で身体が男性の方々。

心は女性でも、体格が男性のままでいらっしゃるなら、女性にとって脅威の対象になります。

女装が趣味の方々。幾ら美しくても、そうでなくとも、性的嗜好が女性に向いているなら、同じトイレはご遠慮ください。

"あなた"の事を知らないのに、いきなり仰られても受け入れる事は出来ません。

最低限、娘が安心できる距離まで離れてから『心は女性なんだ』もしくは『女装が趣味なんだ』と穏やかに伝えて下されば、きっと理解できる道もあるかと思います。

さて、そろそろ私も冷静になれたと思います。

長々と拙文失礼いたしました。

此処までご拝読頂きました皆様、本当に有り難うございます。





最後に、これからも遅く帰るだろう娘には、人体の急所を攻撃するよう徹底的に叩き込みました。

今では反射的に足が出るようです。

次にあの制服さんに再会できれば、また同じ様に近付くならば、まず間違い無く女性にして差し上げられますことでしょう。

それでは皆様、ごきげんよう。

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