少年騎士ロアー 今日も奮闘中
今回は、思いついたものの短編です
「「「「…ぅぅぉおおおおおおお!!!!」」」」
とある街 そこでは一週間に一度剣闘技の大会が行われる。
普段も、賑わっているがこの頃は更に試合が盛り上がっている
この大会は、出場者は飛び込み 身分不詳 どんな奴でも出場を許される大会
そこに、どこからか一人の男が参加 十九連勝を果たして今なお無敗の剣士
その男が倒されるか、または二十連勝を果たすか その大会を見るために町中の人間が集まっていた
そして、そんな大会を見るとあって興奮し、酒の入った男たちがどちらが勝つか話し合っていた
「やっぱり 俺は今回は負けるんじゃねぇかと思ってんだ」
「な~に言ってんだ 今回もロアーが勝つさ お前かけ金ちゃんと払えよ」
「わぁーってるよ ただしロアーが負けたらお前が払えよ」
「もちろんだよぉ」
そんなことを話していた男たちは 大会が始まろうとしていたことに気付くと口をつぐんだ
そして、選手たちの入場が始まった
この大会を主催する町長が選手紹介を始める そして、観客たちがざわめき始める
「細身ゆえに、素早い体さばき そして華麗なレイピア使いの美男子 アベイユ・パピヨンだぁぁぁ!」
町長がそう叫ぶと観客は吠えた
「「「かっこよくきめろよぉぉ!」」」
それに、アベイユは返事を返す
「もちろんさ」
「対するはそれとは真逆 鈍重なれど豪快で武骨な一撃を放つ正体不明の剣士 ロアーの登場だぁぁ!」
「「「ロアー 今回もぶちかませぇぇ!」」」
「…」
「今週の予選を勝ち抜いたのは、 この二人だぁぁぁ!!」
「お前ら こっからは、瞬き厳禁だぁ こいつらの試合は見なくちゃ損だ!」
「そんなのいいから早く始めろぉ」 「さっさと引っ込めぇ」 「長いんだよぉ」
「分かったよ!! じゃあ、行くぞ」
「 試合開始ぃぃいい!!」
ゴォォォオン!!
試合開始を告げる銅鑼がなった
ロアーが仕掛けた 175ほどある身長と同じほどのでかさの大剣を掲げ
「…ッッ」
バゴォォッン
アベイユのいた場所に叩き込んだ
観客たちはもう終わりか、と落胆しかけたが土煙が晴れるとそこには誰もいなかった
「どこに行ったんだ!?」「まさか 消え去ったわけじゃねぇだろうが」
そう騒ぐ観衆たちに上空から声が降ってきた
「ここさ!」
その声を聞き 上を向くと其処には上から切りかかろうとするアベイユの姿が
「…ッッ!」
ガキィィンッッ
ロアーは、その攻撃を信じられないような速度で大剣を引き戻し弾いた
「ふふふっ 中々やるね」
そう笑うアベイユに構わず大剣の連打を繰り出す
ブオンッ ドガァン ズオッッ!!
しかし、その攻撃は全て避けられ 連打の終わった隙に反撃を許してしまう
ガキンッ ブンっ
ロアーは、その反撃を鎧で受け、大剣を横に薙ぎアベイユを引かせ距離をとった
そして、大上段に構え、動きを止めた
その構えをみてアベイユは小さく笑った
(そうか これは君からの宣戦布告だね ああ この一撃で決めようか)
アベイユは、体を一気に屈め そして、飛び出した
その速度は一瞬観客が見失うほどのものだった
ロアーは、そのアベイユの攻撃に対し剣の平を向け構えを変えた
そして、アベイユが自分の体を切りつけようとした瞬間、大剣を振った
大剣を振り切った後、アベイユは吹き飛んでいた
その時のロアーの構えを野球というものを知っているものならこういっただろう
バッターのようだったと、
そしてロアーは、動きを止め 町長はアベイユの意識を確認したが気絶はしているようだったが、怪我は骨折している程度で済んでいた
そして、町長は勝敗結果を告げた
「今回の勝負は剣士ロアーの勝利!!」
その宣言を聞き観客とロアーは叫んだ
「うおおおおおおおぉぉ」
「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」
そして、大会は盛況の内に終わった
その翌日
町人達の中には二十勝を達成したロアーの仮面の下を予想する者も現れだした
今までも語られていることではあったが、二十勝を果たしたことにより、ロアーの正体が気になるものが増えたのだ
「やっぱ中身はいかにも達人って感じの顔だろ」「い~やあの腕力とあのつたなそうな感じは若者だぜ」
そんなことを、話している男たちの内一人がこう言った
「もしかして、子供かも」
その言葉を聞いた男たちは、大笑いして「それはねぇよ」と言ってまた別の話題を話し始めた
その頃 ロアーの泊まっている宿の一室で
「うぅ~ん ふあぁ」
普段来ているフルフェイスの鎧を外し寝ていたロアーの姿があった
そして、その素顔は意外にも童顔であった しかし、それはその筈このロアー・センチピードという男
齢は今年で十になるという子供であったのだ
そのことが、フルフェイスの鎧を着るわけで自分の子供っぽい顔で舐められないようにという理由だった
しかし、体は大人の男顔負けの筋肉で体格は175センチの99キロというかなりの巨体である
その肉体に任せて大剣を振り回すのが普段の戦い方である
だが、なぜ年が十程度の子供がこんなに鍛えられていて また、このような場所で戦っているのかというと、七年前に」遡る
七年前
ある森の中の開けた場所で、
そこには小さな少年いや、幼児というべき子と壮年の男性が立っていた
そして、口を開いた
「ロアーよ わがセンチピード家はわしの息子 つまりお前の父を除いてすべて騎士の家系だ」
「きし?」
「そうだ そしてわが家は王により支えられている ゆえに、王を有事のさいお助けせねばならん」
「そうなの?」
「ああ だが、守るためには何より強くならねばならん そして十八になれば王に仕える騎士となる」
「つよくなるって?」
「お前には十八までに強くなってもらう そのために今から修行を始めるのだ 分かったか?」
「うん がんばる!」
「それでこそ、わが家の男だ では 始めるぞ わしについて走れ」
「うん!」
そんな経緯がありロアーは9になるころには並みの大人では歯もたたない強さになったのだ
そんなある日 ロアーはある町で剣闘技の大会が毎週行われているという街を知った
そして、両親には反対されたが、それを振り切りこの街に来たのだ
ロアーはここで腕を磨き、いつか最強の剣士になることを夢見ている
そんなロアー・センチピードが成り上がっていく話である
連載の練習に書きました
ご感想 ご意見 改善点 何かありましたら教えていただけると幸いです
では