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柏木と犬
誰も通らない廊下を、二人の男が歩いていた。磨き込まれたその場所で、靴音はよく響くのか、静かなはずの廊下はうるさい。
「まずは何処へ参りましょうか?生徒達を見ていただくか、他の教員に会われるか。私個人としては先に校長へ会われた方が良いかと……」
「俺が見たいのは人工生命と殺し屋だ!それ以外はどうだって良い」
客人は高慢な態度を取る。それに対して案内人__柏木は、穏やかな笑みを浮かべたままだ。
「そうでしたか。察せず申し訳ありません」
悪くもないのに謝る。客人は調子に乗ったのか、柏木を見やると高笑いをした。あまりにも大きな声に、さすがの柏木も顔をしかめる。
「さあ、早く会わせろグズ!」
「ええ、会わせますとも。……もし僕らが死んだらね」
「がっ?!」
廊下が赤く染まる。客人の首は何メートルか先に転がっていて、白目を向いたまま死んでいた。ハゲ散らかした頭部だけが虚しく血を流す。
「三河の犬が……僕の仲間を人工生命だの殺し屋だのと呼ぶ資格はない」
※三河のスパイは問答無用で殺します。




