真の終わり
これで最後。
あの子は今何をしているんだろう。
幸せな道を歩めたのだろうか。
私には分からないが、私はあの子の幸せを願っている。
Я
「ねぇ、私がアナタと入れ替わりたいって言ったらアナタは快く入れ替わってくれる?」
レイコが私にこんな質問をした。
冗談かと思ったが、レイコの目は真剣だった。
「うーん…私はレイコに外の世界をもっと見せてあげたいな」
「入れ替わってくれるの?」
レイコは食い気味になって私に聞く。
「分かんない。私は私で、レイコはレイコ。それは曲げようの無い事実だから、誰かと入れ替わるとか考えられないかなぁ。」
「…私の苦しみを分かって言ってるの?」
「分からなかったらレイコは私にそんな質問しないでしょ?」
レイコがいつもと比べてどこか変だった。
まるで、生きる気力を失ってるような目をしている…
「…アナタは良いよね。毎日楽しく暮らす事が出来て。毎日自由で。」
「自由?学校は校則とかいうルールだらけだよ。それに、私はよく怒られるし…」
「アナタのが私よりも自由じゃない!!!!」
レイコが声を荒げる。
私は、いつもと違うレイコに驚いた。
「私はどれほどアナタが羨ましいか…考えた事あるの?!」
「れ、レイコ…?」
「毎日毎日、病院ぐらし!!自由なんかありゃしない!!ずっとずっとずっと!!!!!」
レイコが、私に手を伸ばす。
「ねぇ、お願いだよ…私死にたくないよ…どうすればいいの…」
「レイコ…?」
「ねぇ、一緒に死のうよ。」
レイコが私の首を絞める。
病弱なのであまり痛みは無かったが、喉の奥まで手が食い込んでいた。
「…ねぇ、レイコ…どうしてレイコは…」
「うるさい、何も聞きたくない!!」
「どうしてレイコは…入れ替わりたいの?」
「決まってるじゃん、楽しい生活を送りたいからだよ!!」
「じゃあ…治そうとはしないの…?」
レイコが一瞬目を見開いた。
それと同時に力が少しだけ緩み、私はレイコの手を振り払う。
「入れ替わって誰かになって生きようじゃなくて、自分自身のままで生きようとは思わないの?!」
「自分…自身…?」
「私はレイコが羨ましい時がある。学校に行ってないのに私より勉強できるし、とても清楚で綺麗だから。でも、レイコが病弱じゃなくても、私は私のままで生きたい。入れ替わってしまえば、それはその人であって、自分じゃなくなるから。」
「私は…私…?」
「そうだよ、レイコはレイコだよ。だから、入れ替わりたいとかそんなもの無いの。レイコは完全な私にはなれないでしょ?」
「私…私…!」
「…レイコ。言いたいことがあったら吐き出しなよ。存分に言って良いんだよ。」
「ごめんっ…なさい…」
「良いの。レイコの気持ちだって分からなくもない。入れ替わりたいって、誰もが考えるかもしれないけど…でもね。入れ替わって無いから、自分が存在し続けられるんだ。」
「私…頑張ってみる。病気、治したい。」
「レイコ…」
私もレイコもお互いにボロボロに泣いた。
Я
私はふと、桑の実を見つけた。あれを見る度にあの子を思い出す。
でも、あの子はもういない。
もう会うことは出来ない。
でも、私はあの子を忘れない。
忘れない限り、あの子はずっと私の中で生き続けるのだから。
あの子は最後まで幸せになれたのだろうか。
私はあの子じゃないから分からないけど、あの子はとても幸せそうな顔でこの世から去った。
「レイコ…アナタは誰よりも頑張りました…」
私はそう言い、花を供えた。
はい。
こういうエンドです。
レイコ生存エンドにしようかとも考えたのですが、当初の予定を貫いてこの結果に致しました。
でも、書き上げる最後の最後まで悩みました(´Д`;)
とまぁ、とてつもない拙い文章で分かりにくい点もございましたが、
最後まで読んで下さりありがとうございました!!




