一つ目の終わり
レイコと私のおはなし。
私には、レイコという友達がいた。
レイコは昔から体が弱く、彼女が小さい頃、偶然外に出てた時に私が
「一緒に遊ぼう」
と話しかけたのが出会ったキッカケだった。
レイコはとてもおとなしい子で、自然の植物や木の実を見てるのが好きだった。
レイコは普段から入院していた。だから、私は学校帰りに適当に植物を持って、レイコのいる病院まで会いに行くのが当たり前だった。
私が病室まで行く度にレイコは、
「いつもごめんね」
と、口癖のように毎回謝っていた。
小学校の中学年位に、レイコの容態が悪くなった。
それに伴って、会いに行ける頻度も少しずつ減っていった。それでも、週に一度は必ず会いに行っていた。
「本当にごめんね」
レイコの口癖がそれに変わった。
小学校高学年に入りかける時期、レイコはある木の実を見せてくれた。
「何それ?」
私が聞くと、レイコは
「桑の実だよ。ジャムとかにして食べるんだって。」
「へぇ。私も食べてみたいな!!」
その時のレイコは、とても優しい目をしていた。
小学校高学年に入り始めた春、レイコは余命宣告をされた。
「もう、長くないんだって…」
レイコはとても悲しそうだった。私もとても悲しかった。
「レイコ…私、1回で良いから、この前見せてくれた桑の実のジャムを一緒に食べたい…ダメかな?」
「桑の実のジャムを?どうして?」
「だって私、昔からレイコの病院にずっと行ってたけど、まだこれといった思い出が無いじゃない?確かに毎回いろんな事を喋ったのも楽しかったけど…でも、何か1つでも、レイコと何かした思い出が欲しいの。」
私がそう言うと、レイコは涙を浮かべ、
「ありがとう…」
と繰り返していた。
その数日後、私はレイコと一緒に桑の実のジャムを食べた。
レイコと思い出を作れたのは嬉しかったけど、同時にレイコがあと少しで死んでしまう事を実感し、涙を抑えながらジャムを口に運んだ。
小学校高学年の夏、レイコはとうとう危篤状態になってしまった。
今までは、レイコの病室でいろんな事を話したけれど、もうレイコの病室に入ることも許されなくなった。
レイコはたくさんのチューブでつながれ、ずっと目を閉じていた。
私はその様子を見ていると、レイコの両親が私に話しかけてきた。
「君が、レイコとずっと話してた子なのかい?」
私は、自分の両親と違い、高級そうな服を着ているレイコの両親に思わずかしこまって、
「はい、いつもレイコさんにお世話になっております。」
と、自分でも驚く位の敬語を使ってしまった。
「そうだったのか。レイコは、君という友達ができてから凄く嬉しそうだったよ。本当に、ありがとう。」
レイコの両親は、深々と礼をした。
私もそれにつられて礼をすると、その数分後、レイコは帰らぬ人になった。
レイコの葬儀が終わると、ふと、レイコと食べた桑の実のジャムを思い出した。
思えば、桑の実についてレイコに言われた事以外何も知らなかった。今度、花言葉とか検索してみようかな…なんて考えていた。
私はその日、夢を見た。
そこにはレイコがいた。
夢の中の私は何も言わず、レイコは私を見て、とても嬉しそうな顔をしていた。
レイコが私の手をひいた。
わたしはひかれるがままレイコについていった。
このまま帰って来れなくなりそうだと、ボンヤリ考えていた。
やがてレイコは真っ暗な場所に私を連れていった。
私は何も考えられなかった。
しかし、その時に私は思い出した。
桑の実の花言葉。
『共に死のう』
次の日、私は遺体で発見された。
はい。どうでしたでしょうか。
今回はこんな感じに終わりましたが、一応別の終わりも考えてます。
なのでラストを見て「ふざけんなー!」
と仰った方、安心してください。
救いはありますよ。
それだけ伝えておきます。




