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サクラのキセツ 陽  作者: 斎藤桜
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上野梓

「日良様、どこで猫なんて拾ったんです!? どうゆうことですか」

 いつも冷静な野乃花が、その少女には凄く反応した。いつも絶対服従である野乃花が、日良の足を軽く踏み付けた。

「ん? あっ初めまして、上野うえのあずさと言うのにゃ。で、日良様。早く来てほしいにゃあ」

 甘えた声で梓を名乗る少女はそう言った。しかし日良は、どうでもいいと言うような表情だ。だって彼にとっては、咲希との時間の方が大事だったから。

「いいえ、私は行きませんよ。海人かいとでもつれて行きなさい」

 それでも甘えたいと言うように、梓は日良の周りをうろつく。だから日良はしゃがんで高さを合わせてから優しく言った。

「海人……、分かったにゃん」

 梓は少し不満そうに唇を尖らせたが、そのまま去って行った。日良に来て貰えなくて残念だったが、海人のことは嫌いじゃなかった。今も着ているお気に入りの服、それをくれたのが海人だったから。

 海人じゃなければ従わなかっただろう。日良がいいと我が儘を言っただろう。それも分かり切っている、日良の人選であった。

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