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サクラのキセツ 陽  作者: 斎藤桜
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どうしても

「死ね、死ね。日良様の邪魔をする物は、皆死んでしまえーっ!」

 そんな物騒なことを叫び、野乃花は剣を抜いた。小さな体を生かし、素早く周りの兵を殺して行く。華麗に攻撃を避け続け、僅かな隙間に潜り込み容赦なく殺す。野乃花も戦のプロ、簡単に殺す方法も完全に心得ていた。

 そして遂に野乃花は、一人残らず殺してしまった。逃げ惑う兵たちまで、一人残らず……。

「うおぇ」

 野乃花は何も気にせず死体の山を歩いて行く。嫌そうにしながらも、咲希も何とかとおっていた。しかし見るのに耐えかねた和輝は吐いてしまった。

「早く行きますよ。変態も何やってるんですか、気持ち悪い」

 和輝を心配して咲希は戻ってしまう。だから野乃花も仕方がなく立ち止まった。和輝を待ちたくはないが、咲希は待たなければならないからだ。日良に命じられた任務なのだから、ミスは許されない。

 野乃花は和輝の方を見ながらも、確実に襲い掛かってくる敵を殺して行った。出て来たやつらは全て殺したが、これから出る奴らまでは殺していなかったのだ。更に積み重なっていく動かなくなった人々、そして周囲に飛び散る赤黒い液体。

「変態、ぐずぐずしている暇はない。仕方がないから、私が連れてってやる」

 もう和輝は歩けるような状態じゃなかった。道に倒れている鳥や猫の死体でも、気分を悪くする和輝。そんな彼が、人間の死を見て正気でいられる筈がなかった。 仕方がないので、咲希は小柄な体で自分より大きな和輝を背負った。美少女と密着している、それは和輝が憧れていたシチュエーション。しかし流石にこんな場面でそんなことを考えていたりはしない。

「咲希様……、大丈夫なんですか?」

 見える兵を再び皆殺しにした野乃花は、咲希の元に戻り問い掛ける。和輝のことは大嫌いだが、咲希に辛い思いをさせるくらいならと変わろうとした。

「構わん、いいから急げ」

 しかし咲希はそれを拒む。和輝のことを背負いながら、野乃花の先を走って行った。咲希が行ってしまうので、慌てて野乃花はそれを追い抜く。先を走るのは危険なので、何があっても咲希を傷付けない為だ。

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