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サクラのキセツ 陽  作者: 斎藤桜
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あの日の約束

「もし異世界に行けたりしたら、俺はハーレムを作りたいな。誰もを大好きになって、誰もに大好きになられたい。異世界の時点で有り得ないし、ハーレム作るくらいの方がまだ現実的だもんな」

 海人の部屋に遊びに来て、和輝は自らの夢を語っていた。それを海人は微笑ましく、ニコニコと優しい表情で聞いていた。

「へえ、和輝君らしいや。そのときには、僕のこともハーレムに入れてね? お願いするよ」

 恥じらいを隠すように、海人はニヤニヤとした笑顔を浮かべていた。

「約束して。和輝君は僕のハジメテを奪ってくれるって」

 ニヤリと笑い、恥じらいを必死に隠して海人はそう言った。その言葉に驚きながらも、和輝は頷く。

「ああ、約束しよう。異世界に行ったら、俺がお前を……」

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