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序幕

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・世界観・


神々の祝福が根強く残る世界で、危険な魔物などが普通にいるため常に戦力が必要とされてます。


先祖代々受け継がれてきた血筋にまで神々の祝福が宿っており、祝福を持たないと言う人間はいません。


いるとしたら異世界人です



ママレカ公国の南西の港町・エレナダの冒険者ギルド《海の秘宝》には、今日もたくさんの屈強な冒険者達が出入りするなか、掲示物の前に一際異彩を放つ少女が立っていた。


年の頃は16か17ぐらだろうか。白い髪を藍色の紐リボンで結い上げ、華奢で小さな身体を騎士の洋装と星銀製の甲冑で包んみ、腰には容姿とは真逆の黒い剣を帯びている。


清んだ菫色の瞳と雪のように白い髪と肌が一際美しく魅せており、さながら貴族の美少年に見える。が、身体の凹凸でかろうじて少女だとわかるぐらい、色気は乏しい。


その気品からして貴族の息女である事は間違いなく、なぜこんな荒くればかりいるギルドにいるのか疑問に持つ者も多いだろう。彼女の名前はユーリット・ファベル。


ここ《海の秘宝》屈指の高位の冒険者で、現在受けていた依頼を終え、次の依頼を受けるため掲示板に貼られた掲示物を見上げていたが、一枚の依頼書の内容を読んでユーリットは眉間に皺を寄せた。



《魔法騎士ユーリット・ファベル殿。大至急、家に帰還されたし。



ロベルト・ファベル》



「…兄上…。」



いつも父が再三に渡り帰還の依頼書を、ウザイほどギルドに送っていたのだが、今回は一番上の兄の依頼にユーリットは首を傾げた。


あの穏健な兄が何故ギルドに帰還の依頼書を出したのか…ますます気になる。


もしや病弱な母に何かあったのだろうか…。ユーリットは五年前の出来事を思い出し、胸に苦い気持ちが広がった。



5年前、ママレカ公国のファベル伯爵家は借金で首が回らない状態に追い込まれていた。


ユーリットの父、ユリアス・ファベルは事業に失敗し、家財の殆どを失った。


使用人も雇えず、領地は稀にみる不作で八方塞がり…このままでは終わりだと言うときに、心労が溜まったユーリットの母は倒れてしまったのだ。


医者にみせる金もなく、途方に暮れていたユリアスと兄二人を見ていたユーリットは、このままでは駄目だと、一大決心をして家を飛び出し冒険者ギルドの冒険者になった。

幸い、ユーリットは祖父から剣をみっちり教えられていていたので、ギルド内でも頭角を早くに現し、15歳で家の借金まで返してしまった。


また、冒険者の仲間達からも色々な技術を教えられたせいか、野外戦闘や魔法まで習得し、今では《黒剣のユーリット》と恐れられるほどの実力者として成長している。


『しばらく、家に帰ってねーんだから、そろそろ帰ってもいいんじゃね?』


「……。」


腰に帯びた相棒の言葉にユーリットは、憮然としたまま、依頼書を掲示版から剥ぎ取ると、カウンターへと向かう。


「あら、ようやく帰る気になったの?」


「…はい。母の容体が気になりますし」




「依頼は確かに受諾したわ。無期限の依頼だから、しばらくノンビリしてきなさいな。あんた最近働き詰めだから良い機会よ。」



「はい…」



ギルドマスターのエナに、複雑な表情を浮かべたまま一礼すると、ユーリットは外へと出る。


なんだかとてつもなく嫌な予感がしたが、母が心配なので渋々ながら家へと向う準備をするため、宿へと向かった。



ユーリットの出ていく背中を見送ると、エナは依頼書を屑籠に丸めて放りこみ、苦い表情でユーリットが出ていった扉をみやる。


「はぁ…ごめんね。ユーリット」


エナはカウンターに肘をのせ、溜め息をこぼし、ぽつりと誰にも聞こえないように呟く。


ユーリットはエナに取っては可愛いい妹分だった。


控え目で真面目な性格だったが、どんな小さな仕事も嫌な顔をせずに受けて、必死に働き、魔法騎士にまで登りつめた彼女を、ギルドのメンバー達は皆大切にしてきたが、今回ばかりは守りようがなかった。



エナは、冒険者の登記書類の棚からユーリットの登録書を取り出すと、思いっきり縦に裂いて、先程の依頼書と同様に屑籠へとそれを入れた。



《騎士の家門》



戦闘能力の血の祝福では最高と言われています。


この血の祝福を持つ人間は戦闘能力に特化しており、通常の人間の5倍の身体能力をもつ。(女子は訓練しないと発揮できません)


そのため軍人では将校に多い。



《術士の系譜》


魔力を強く宿した人間が持つ祝福。母から子に遺伝しやすいので血の祝福と同類扱いになっている。



《王権の王冠》


王家がもつ特殊な祝福。覇気や統率力をUPする。嘘が見抜け、状況判断や行動力などカリスマ性を持つ…etc



などなど

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