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夢幻泡影  作者: 月光
第1章【希望】
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虚しい空

「貴様の目的は何だ?」

絶望の魔帝の視線が鋭くなる。


「感情のない世界を作る――それが我の望みだ」

声は冷たく、理知に満ちていた。

感情の欠片も感じられない。


絶望の魔帝の唇が、わずかに歪む。

「くだらんな。私の目的は、

人間を絶望させることだけだ」


「くだらないのはそちらのようだ、

絶望もまた感情だ。感情など、この世界にいらない」

冷たい声が、戦場の空間に静かに落ちる。


剣の先が、レイの首筋にさらに近づく。

絶望の魔帝の手が、微かに震えた。


「感情がある限り、完全な無は来ない」

その言葉に、絶望の魔帝は思わず歯を食いしばる。


手がわずかに止まる――。


「誰だか知らぬが、お前ごときに

私の行動を妨げる権利があるのか…!」

絶望の魔帝の苛立ちが空間に波紋を立てる。


だが、剣は完全には振り下ろせない。

その声の冷静な理に、微かな戸惑いを見せたのだ。


「貴様のやり方――

壊すことに快楽を見出す者よ」

声が、淡々と続ける。


「その行動は我の計画に影響するのだ…」


声は静かだが、その冷徹さは戦場を切り裂くようだった。


「悪いことは言わぬ――手をひけ」


絶望の魔帝の瞳が一瞬、見開かれる。

「……何だと?」

苛立ちと不信が入り混じる。


「我と戦う代償は大きい…絶望の魔帝」

声は微動だにせず、しかし戦場の空気に重みを落とす。


絶望の魔帝の剣がわずかに下がる。

「…貴様…まさか!!」

握りしめた拳が白くなる。


視線が声の方向へ向くが、相手の姿は見えない。

「手を引けばいいのだな?」

低く、吐き捨てるように言う絶望の魔帝。


「それでよい……覚えておけ。

もしまた我の目的の邪魔をするならば、

次は命ごと潰す…」


声は冷たく、警告として戦場に響く。


絶望の魔帝は、ゆっくりと剣を引き、

背筋を伸ばしたまま姿をくらます。

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