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夢幻泡影  作者: 月光
第2章【愛執】
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旅立ち

避難所の朝は、瓦礫に覆われた街とは対照的に、

どこか静かで落ち着いていた。


薄明かりの差し込む窓から、

埃混じりの光が小さな部屋をゆらめかせる。


ミナは用意した簡単な食事を運びながら、

避難者たちの様子を気にかける。


「今日も無事でよかった…」


小さな声が、静かな空気に溶ける。

レイは窓のそばに座り、外の街を見つめていた。


瓦礫の山、崩れた建物、煙の立ち上る遠くの空。


ガルドは避難所の巡回を終え、

壁のひびを修復している。


小さな作業のたびに、彼の背筋はしっかりと伸び、

避難者たちを守る意思がにじむ。


ミナがレイの隣に座り、そっと手を置いた。

「レイ、浮かない顔してどうしたの?」


レイは視線を落とした。


しばらくの静寂の後、レイは重い口を開く。


「……俺、外の世界に出る」


ミナの手が、一瞬だけぎゅっと握られた。

「……そうなのね……」


ガルドは作業をやめ、ゆっくりと振り返る。

「すまねぇが、俺はここに残る」


その声は重く、しかし揺るがなかった。



「俺は…全ての根源を倒して、終わらせる」


レイの瞳は決意に満ちている。


「まだ終わってない。俺が行かないと、

誰も終わらせられない」


ミナは深く頷いた。


「気をつけて…でも、あなたならきっとやれる」


その声には、希望と信頼が混じっていた。

レイは一度深く息を吸い、避難所の小さな扉を開く。


外の光が、瓦礫を照らし、彼の足元を明るくする。

ガルドとミナの視線が、背中を押す。


――絶望の中で芽生えた光を胸に、

レイは一歩を踏み出す。

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