1/4
光の片隅
あのとき世界は、魔帝と呼ばれる者たちに支配された。
空が裂け、大地が歪み、人々は滅びを覚悟していた。
しかし、怒り、悲しみ、恐怖、喜び――
人が抱く感情が、力として形を持つようになった。
魔帝は4人いると言われている。
「絶望の魔帝」、「憤怒の魔帝」、「愛執の魔帝」
そして、全てが謎である「――の魔帝」
彼らはひとつの感情に執着し、
その力を最大限活用して世界を支配した。
人々は戦う道を選んだ。
散り散りになりながらも、
最後に辿り着いた場所がある。
人々は <残光> と呼ばれる拠点を築いた。
魔帝の支配が及ばない、
人類に残された最後の居場所として。
〈残光〉では、誰かが笑い、誰かが喜び、
誰かが小さな希望を胸に抱く。
そんな ささやかな喜びが積み重なるたび、
拠点を包む空気は静かに満ちていった。
そんな拠点の片隅で一人の少年 レイは、
畑の端に腰を下ろし、乾いた土を指で弄んでいた。
「おーい、レイ!ぼさっとしてないで働け!」
振り向くと、丸太を担いだ中年の男 ガルドが
こちらを見ていた。
「あ、今行くよ」
レイはため息混じりに土を払うと、
ゆっくり立ち上がった。




