お巡りさんダンジョン二階層から最後の階層へ
戻ると階段の前で全員が持っており春姫が
「何かあったんだね」
と告げた。
芳乃は頷いて
「取り合えず階段上って休憩がてらに」
と告げた。
階段を登り全員が食べ物と飲み物を手にするとゆっくりと腰を下ろした。
岡崎信二はフゥと息を吐き出すと時計を見て
「少し休みましょうか? あとはこの階だけみたいですし」
と告げた。
芳乃は少し考えると
「食事を終えて少ししたら出発した方が良い。恐らくこの階にお巡りさんシステムがあると考えるならそれほど敵の数はないだろうしラスボスに注意すればいいくらいだと思う」
と告げ
「ただ、これを解いてもらいたい」
と先ほど撮った写真を見せた。
『めよしほせ―2』
上倉順一は苦く笑むと
「これはかなり簡単な暗号だな」
と告げた。
「恐らく『みやこふし』だ。『め』に―2と考えると二つ前の文字『み』として行くとその言葉になる」
だが。
だが。
それをどこで使うのかが現在のところ誰にも分らなかった。
一階のような暗証番号を必要する扉が見当たらないからである。だが意味もなく暗号があるとは誰も考えてはいなかった。
芳乃は食事を終えて水分を取ると
「あと少しだ。一気に攻略しよう」
と告げて足を踏み出した。
その頃、ダンジョンの入口では兵士が銃を構えて一斉射撃を行いお巡りさんシステムへの突入を試みようとしていた。
芳乃と行動を共にする林正一郎の工作員に付けていた発信機が入口の場所を知らせたのである。いや、工作員の発信機の電波が消えた場所へ向かいダンジョンの入口を見つけたのだ。
また地上では上村山楓の館を取り囲み反旗を翻した自衛隊と対岸の兵士が睨み合いをはじめ一色触発の状態に入っていた。
刻一刻と事態は変化し、運命の流れが怯えて家の中で息をひそめる国民も含めて日本を大きく何処かへ連れて行こうとしていたのである。
空はそれを無言で教えるように宵闇の中で暗雲の袖を伸ばしていた。




