お巡りさんダンジョン二階層 7
その後二つの分岐はあったが行き止まりも含めて全ての通路を踏破し不意に芳乃は足を止めた。
「おかしい」
和己も春姫も愛も全員が
「ん??」
と芳乃を見た。
急カーブの一本道で別に普通である。
和己は芳乃の横に立つと
「どうした? 恐らく全ルートを踏破しているから問題はないと思うけど」
と告げた。
芳乃は腕を組みながら
「取り合えずこっちだな」
と緩やかなカーブを描く通路を進みその先に窪みの横手に階段があるのを見つけた。
階段に扉はなかった。
岡崎信二が階段を登り
「……扉も何もありませんね。二階に登ったのと同じ食料と水が壁にありますけど」
と階段を降りて告げた。
「その先に通路が同じように続いているような感じですが」
……どこまで続いているのか……
それに春姫が
「次の階で終わりですね」
と告げた。
「三階層であることは分かっているのでその通路の先にお巡りさんシステムがあります」
芳乃はそれに顔を顰めると
「おかしい」
というと
「ちょっと先の急カーブまで戻る」
と歩き出した。
和己は慌てて
「ま、待てよ」
というと
「あー、他の皆はそこで待機しておいてくれ」
と芳乃の後を追いかけるように走った。




