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世界最恐ダンジョンマスターは警察ダンジョンを攻略してお巡りさんをゲットします  作者: 如月いさみ


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お巡りさんダンジョン一階層 9

 その中でも田園調布の立ち並ぶ屋敷の一角で兵士に囲まれて軟禁状態にある女性がいた。

 民自党の中でも林正一郎と対角をなす立場の上村山楓という女性議員であった。


 彼女は彼女の元に集う数名の議員を見て

「皆さんが私の元へ逃げて来られたことに安堵しています」

 と言い

「必ず……逆転のチャンスがあります。警察庁長官と警視総監が林の外国籍や帰化した警察官の入庁を拒んだのは我々の希望です」

 と窓の外を見た。

「まだ……司法の守護者の灯火は死んではいない。彼の電波が消えた場所から考えて恐らくあそこへ向かっている」


 ……待ちましょう……

「その時の為の更なる先の計画を立てて」

 全員が頷いた。


 夜の闇は深々と降り積もり、その間にも陰謀は動いていた。林正一郎は波瀬浩司と江崎葵と仲間優也の報告を受けると

「警視庁へ突入させた兵士から2階の淡島春姫と7階の亜久里芳乃の捕獲連絡はない」

 と告げた。

「淡島春姫は警察や自衛隊のOSからそれを土台とするアプリケーションの全てを組み立てた天才だ。しかも……奴は設計書から関連書類を誰にも分からない場所に保管していて今総出で探している」


 そう言って息を吐き出した。

 波瀬浩司は彼を見ると

「まさか先の警視庁の攻撃で両名とも」

 と告げた。

 が、林は首を振ると

「全ての遺体を確認させたがいなかった」

 と言い身上書を見せた。

「これが淡島春姫でこちらが亜久里芳乃だ」


 それに波瀬浩司は蒼褪めると

「この二人は……偽名を名乗っていました」

 と告げた。


 林は息を吐き出すと

「全データのアクセスを淡島春姫が管理していてこの状態になるまで手に入れられなかったのがこちらの敗因だな」

 と告げたもののニヤリと笑うと

「だが、まだ終わっていない」

 伏兵はいる、というと

「奴は携帯を切ったようだが付けていた発信機の切れた場所は割り出せた。そこへ兵を送れ。そしてそこにいる人間を全員どんな手を使っても確保しろ。殺すな、兵士が何人死のうと確保しろ」

 と指示を出した。


「堅牢な城ほど内部から壊しやすい」


 林が呼び寄せた対岸の兵士が波瀬浩司を船頭に警視庁の地下通路へと入りお巡りさんシステムの入口へと向かい始めた。


 翌朝、芳乃は乾パンと水を朝食代わりにするとダンジョン探索を開始することにし

「これからの分岐は行き止まりも全て探索する」

 と言い

「ダンジョンの概要は想定で来ているので行き止まりなどを含めて全てを探索してもそれほど支障はない」

 と告げた。


 春姫は驚いて

「それはどういう?」

 と聞いた。


 芳乃は笑むと

「う~ん、これを作った人物……淡島さんの父親がどういうダンジョンの形にしたかがわかったってことだな」

 と告げた。


 杉村翔が立ち上がりながら

「そんなのわかるのか?」

 と呟いた。


 芳乃は頷くと

「ああ、だいたいな」

 と答え

「特に今回は意図があるからわかったってことだ。だから行き止まりを回ってもそれほどのロスがないと理解している」

 と告げた。


 愛はふっと笑むと

「VRダンジョンゲーム制作者を驚愕させた最恐のダンジョンマスター、モグリですね」

 と告げた。


 和己は彼女を見て

「上田さん、何故?」

 と呟いた。


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