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世界最恐ダンジョンマスターは警察ダンジョンを攻略してお巡りさんをゲットします  作者: 如月いさみ


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お巡りさんダンジョン一階層 4

 春姫は不思議そうに

「悪いけど、アナウンスの意味が全く分からなかったんだけど」

 と告げた。


 遠野順一も杉村翔も春姫同様に芳乃と和己に目を向けた。


 芳乃は頷くと

「アレは解りやすく言うと3分間は停止した状態でいるが3分経つと先と同じ様に攻撃を仕掛けるという意味だ。リスポーンはモンスターを倒すと一定の時間を置いて再び現れるという意味だからな」

 と告げた。


 愛は先ほどの通路を覗きながら闇が広がるだけの状態に

「でも、バトルモードの入りもゲーム仕様みたいですね。恐らく強盗犯モンスターは一定の距離に参加者が近付くと攻撃を仕掛ける感じです」

 と告げた。

「ゲームでもそうなので恐らく通路に入らない限り大丈夫ですね」


 和己がそれに

「上田さんはゲーム詳しいの?」

 と聞いた。


 愛はハッとすると

「あ、え、ええ」

 と答えた。


 岡崎信二は笑みを浮かべると

「え? そうなんだ。知らなかった」

 と告げた。


 愛はチラリと彼を見ると

「……まあ」

 と答えて、芳乃を見た。


 芳乃は警棒を手にしたまま

「俺が前を進みます。他の人は後ろで殿を南部と淡島さんでお願いします」

 と告げた。

「銃については使用回数が限られているので先のようなモブは警棒対処で……大抵のダンジョンは重要な場所にボスを配置しているのでその時の為に出来るだけ使用は控えた方が良い」


 全員が頷いた。


 右の隣の中央の通路に芳乃は足を踏み入れて先を進んだ。道はなだからに右手に曲がり大きく曲がると更に先へと繋がっていた。


 杉村翔は安堵の息を吐き出すと

「どうやらこの道が正解だったみたいだな」

 アハハと笑って告げた。


 それに同意するように全員が小さな笑みを浮かべた。同じような空間を歩くと進んでいるのか戻っているのか全く分からなくなるからである。

 ともすれば延々に同じところを回っている気になるのだ。


 暫く進むと再び分岐に差し掛かったが右の二つの窪みからは警察官が二人姿を見せた。


 警察官は手帳を見せながら

「警察のものですが貴方の名義の通帳が悪用され」

 と話し出した。


 所謂、詐欺だ。


 和己が嫌そうに

「うっわ、先もだけどこういうのは警察ダンジョンらしさ出してるって事か?」

 とぼやいた。


 芳乃は冷静に

「確かに……まさに警察ダンジョンだ」

 と突っ込み手帳を見せると

「どこの部署か話してもらおう」

 とロボットに向かって答えた。


 瞬間に警察官の二人は警棒を手に襲い掛かってきた。

 

 想定内行動だ。

 芳乃は「やっぱりな」と心で突っ込みながら手前の警察官が振り下ろした警棒を避け

「南部!」

 と叫んだ。


 和己が手前の面々を押し退けるとにやりと笑って

「確かに警棒で二対一はしんどいな」

 と言い芳乃に殴り掛かろうとする警察官の一人の振り下ろした警棒を警棒で受け止めた。


 重々しい衝撃が走り

「ばっか力じゃねぇか」

 と言い足蹴りをして後ろへと弾き飛ばした。


「げっ、足もいてぇえ!」


 和己の叫び声に芳乃は苦笑しつつ警棒を避けた後にその手首を警棒で叩き、警察官が手を離すと足で遠くに警棒を蹴った。


 愛が足を踏み出してその警棒を手にすると芳乃に向いて頷いた。

 芳乃は笑むと警察官の手首を掴んで後ろ手に回しそのまま背後から床へと押さえつけた。


「詐欺、および、暴行の罪で逮捕する」

 警察官はカクンと力を失うと倒れた。


 和己もまた蹴り飛ばして立ち上がって向かってきた警察官が突きを入れてくるのに合わせて手首を掴むと後ろに回って上から押さえつけた。


「詐欺、および、暴行の罪で逮捕する」

 警察官はカックリと動きを止めると床に倒れ落ちた。


 先と同じ様に天井から声が流れた。

『特殊詐欺の確保を確認しました。20分後のリスポーンまで行動の停止に入ります』


 間違いなくこういう流れなのだろう。

 見ていた春姫や愛たちも大体のダンジョンの敵の捕まえ方を理解した。


 芳乃はフゥと息を吐き出すと足首をクルクル回す和己を見て

「大丈夫か?」

 と呼びかけた。


 和己は苦笑いを浮かべながら

「これくらいはな。けど、身体硬すぎだろ」

 と答えた。


 芳乃も苦笑しつつ

「そこは考慮してほしかったな」

 と答えて

「行こうか」

 と先へと足を踏み出した。


 遠野順一がアナウンスが流れてきた方を見ながら

「しかし、先は3分で今度は20分か」

 と呟いた。


 芳乃はそれに

「恐らく、派生区域じゃないからだろ」

 と言い

「急ごう。このまま奥の道だ」

 と右側の警察官たちが出てきた道が分岐のように見えるが唯の窪みであることを確認して残った左手にカーブしている奥の道へと足を進めた。


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