エピローグのエピローグ
(ん…まだ夜中か…。)
ロギンが目を覚まして月明かりで時計を見ると、まだ2時だった。妻と幼い娘が目を覚まさないようにゆっくりと移動して外に出た。
(きれいな星空だな…。)
昔の仲間達を訪ねる旅を終えて村に帰ってから6年、ロギンは農家に戻って生活していた。その間に同じ村の女性と結婚し、娘が生まれていた。
(自分は幸せ者だよなあ…。)
魔王を倒すために旅をしている時と、ウォーレンやハイネルを訪ねた時を思い出していた。
(魔王がいた時代も今も、多くの人が今の俺のような生活を夢にさえ見ていたし、見ている…。でも、俺は魔王がいた時代、まだまだ安全なこの村にいて…正直、つまらなかった…魔物でもいいから、この退屈な日常を壊してほしかった…。)
もう一度、星空を眺める。冷たい夜風は新鮮な空気を運んでいるように思えた。
(魔王討伐したら…人生の何かが変わると思ってた…。でも、旅をしてる間にだんだん重くなってきた…勇者…いつから呼ばれ始めたんだったっけな。魔王を倒したら、重みから解放される…今度はそんなことを考えてた…。)
仲間を訪ねた旅を思い出す。
(結局、旅をしても自分は何をすればいいのか分からなかったな…。当たり前だよな…本当は重みから解放されたかったんだから…使命が見つかるはずない…。)
ゆっくりと息を吐いてから家に戻り、またゆっくりと歩く。
(ずっと、こうやって生きていくんだろうな…。全く贅沢な悩みだ…。)
声を出さずに笑いながら寝室に戻る。妻と娘が眠っている。
(俺は、これでいい…。)
前の、実はいきあたりばったりで書いた『流れ星』と違って、話の構成を考えてから書いたんですが…。ロギンが魔王を倒したことを知っているのはどの程度いるのかとか…矛盾だらけな感じになってしまいました…。話自体も『流れ星』を書いている間に考えたものなのでテーマや無気力な主人公と、似通ってしまいましたし。ほんと、物語を作るのって難しいですね…。『流れ星』のときもそうでしたが、次の文が唐突に出てくるようになってしまって、文と文をつなげるのが難しい。気が付いたら「そして」とか「また」を連発してしまっていて直したり…。3人以上出てきたら会話をするのに、「誰々は言った」を連発してますし…。これから勉強していきます…。最後になりましたが、お読みくださった皆様、ありがとうございました。次回もよろしくお願い致します。