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ストグラ 安城とゆきんこ 旅立ち とある日の安城

作者: 佛 弥白

レギオンを通った時、ゆきんこの後ろ姿を見た気がした。あわてて声をかけたら、振り返ったのはウメだった

名前が冬野 梅 だったからか

紛らわしい


俺はいつも通り、白市民と交流を図るためレギオンの通りを通りすぎようとしていた。けれど、すぐに特徴のある髪色に髪型

思わず声をかけた

でも、違った

ユニオンがついていないことにも気づかずに


バカだなぁと俺は頭を降る

アイツが帰ってきたら、まず俺に電話をかけて来るだろう


いや、あいつは忘れっぽいからな


まず、白井さんにかけるんだろうな

そう思うと苦笑混じりのため息を少し吐く

ゆきんこらしさを思い出して少し笑う


ん?だいじょうぶかい?


振り返ったウメが俺の様子を伺ってそう声をかけてきた。


いや、大丈夫だ。問題ない


そうかい?なんだか少し寂しそうだよ?


ウメこそ、寂しいだろう?あんなに仲良かったからな


雪ちゃんがいなくて、さみしいねぇ


ウメは感慨深そうに瞬きをし、自分の服を眺めた。


でもね、お揃いの服を作ったじゃない?

これは雪ちゃんを忘れないという意味もあるけど、

この服を着ていると、雪ちゃんの明るさをもらえる気がするんだよ


ウメは顔を上げて、そっと微笑む。


雪ちゃんの笑う声が聞こえて来る気がするんだよ。不思議なことにね


それと、と言ってイタズラな笑みを浮かべて俺へとにじり寄ってきた。

思わす、数歩後ずさった。


君みたいな雪ちゃんを寂しがっている人に元気を分けようと思ってね!

ウメは言うが早いか、飛びかかるように抱きついてきた。

がっしりと力強くババアとは思えない強さで。そして、ウメは囁く


ウメはね、覚えていて欲しいのさ

冬野雪ちゃんって子がこの場所にいたことを

そして、雪ちゃんが帰ってきた時、誰も知らない街になってて欲しくないんだよ


そう言って、ウメは俺から離れた。

安城くんだって、そう思わないかい?



確かに、忘れられないし、大切だ



ああ、そうだな。ゆきんこは確かに、この街にいた。でも、俺も白井さんもウメも待っているから、知らない街でもないだろ?


それはそうだけど、ね


ウメは苦笑する。


これはウメのワガママ

そう呟いて 元気は出たかい?

と俺に聞いてきた。


ゆきんこならまだしもババアに抱きつかれてもなぁ

ウメが怒るだろうことも計算に入れてボソリと呟きつつ、小走りでウメから逃げた。

案の定、ウメは腕を振り上げて怒って追いかけてきた。


ウメも少しは元気が出たか

そう、内心思いバイクで走り去った。

後ろで、ウメの元気な声がまだ聞こえる。



寂しい、か

そうなのか?

分からない

でも、


起きて街に出れば、ゆきんこが無線でおはようの挨拶をまちながら、散策をして

聞こえなければ、似た姿の人を目で追っていた気がする。


ここ最近は大型が終われば、部屋に帰って寝ていた気がするし、


そうなのか?


分からない



白井さんに貰ったペンダントを取り出してながめる。


笑った顔のアイツがそこにいる


いま、何をしているだろうか


痛くはないだろうか


悲しい思いはしていないだろうか



思いを馳せれば、心配ばかりしている俺がいた。

いま、俺はダークヒーローの誓いの地で日本がある方向を眺めている。

日本は遠い。

見えるはずもない

しかし、ここから眺めると

あの騒がしい日々を思い出す。


初めてゆきんこと出会ったPY

P活での活動

キックアスとして、そしてヒットガールとして活動をしようという矢先の橋上からの落下

思い出せば出すほど

懐かしく少し笑ってしまう


カッコいいところ見せられず仕舞いだな


ポツリとつぶやく



別にカッコつけなくて良いのだ

普通にしているきっちゃんが一番素敵なのだ



不意に言葉が聞こえた気がして、振り返った

誰もいなかった

それはそうだ

ゆきんこは今、日本なのだから

いるはずがないんだ



そう思った

けれど、

胸がほんの少し温かく感じた



そだな、でも

カッコつけたいじゃん!

好きな子の前ではさ!


日本にいるゆきんこに向けて、いつもの大きな声で

とどけと願って

思い付くままとある日を書き上げました。

どこまで行けるか分からないが、頑張ります。

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