解釈は違う
「ねぇ、さっきのキモくなかった?鉄の棒、土にブッ刺して、大丈夫ですか?だってさぁ!ほんと自分が何やってるか分かってから言えってーの!ぎゃはは!」
そう豪快に汚く笑う女は先程のギャルだった。
その汚さに不快感を持つ人も周囲にいる。
ポケットにおっきい荷物でも入れているのか、重そうだ。
どうやら今からパワースポットの根本である巨大な石に挨拶をする様だ。
それもまた滑稽に見えるがそれはさておき。
ギャルの隣のギャルは更に顔色が悪そうだ。
「おっ!元気になってきた?さっきよりもいい気がする」
しかし、察しの悪い友ギャル。君の友人は死にそうだよ?
「あ、うん!そうだね…」
しかしまた、友達の善意に身を滅ぼす選択をしてしまうのは…。
無理な笑顔が悲しい。
石に触る順番を待って、次はやっと彼女達の番。
一人は嬉しそうに、もう一人は恐る恐る石に触れる。
「……ッ!」
「あー!力もらってるって気がする」
彼女の顔を見てから言え。
そして彼女は不意に石の上を見上げ見てしまった。
「カエシ…テ…!!」
血の涙を流した猿の姿を。
「さっ!帰ろ?」
震える彼女を気にせず踵を返すギャル。
「ね、ねぇ…」
「んー?」
「その…鉄の棒さ…」
「あー。捨てるよ!なんかきもいしな」
「やめろ…」「カエセ…」「ユルサナイ…」
彼女の背後から耳に届く不穏な声の数々。
ゾクっとする背中を無視して、「そうだね…」と彼女もまた踵を返す。
「…で、ここどこ?」
帰り道。しっかり家を目指していたはずなのに、真っさらで何もない土地に彼女達はいた。
そしてその目前には数々の亡霊と血涙の猿だ。