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好きな表現を好きなだけ

ヒカリちゃんの好きなものが滑り台だという事が分かった。


ブランコも、鉄棒も、砂場もシーソーもあるけれど、全て遊んだ上でまた何度も滑り台に戻ってくるのだ。


プラスチック製のウォータースライダーの様な形をした丸い滑り台。


結構長めのものを何度もヒカリちゃんの後ろから滑って、吐きそうです。


ええ。子供の体力は底なしです。


「にしてもこの空間は光ちゃんが作ったのか?」


「うん!私の力!今日は特に上手くいった!一がいないから!」


「一さんいないと出来いいんだね?」


「ヒカリはヒカリだから、人には弱いんだよ!あ!でも由羅は特別!」


初めて名前で呼ばれた。


呼び捨てかい。


「そっか。それは嬉しいね。楽しい?」


「うん!すっごい喜びぃ!」


独特な言葉遣いだな。


彼女は滑り台の上で手を上げて眩く光る。


楽しそうにしている時は特に輝く。


それは閃光のようで俺の目が光を失わないか心配だ。切実に。


「由羅は…」


「ん?」


「由羅は楽しい?」


「ああ!すっごい!」


「ほんと!」


「でも疲れたなぁ」


「脆弱〜」


煽り性能高めっ。


まあ、ヒカリちゃんがキラキラと輝いている姿を見るだけで楽しいからなぁ。


「ごめーん。ヒカリちゃんはまだ遊ぶのか?」


「うん!無限に!」


「すんごい体力〜。俺ちょっと休んでるから、また一緒に遊びたくなったら呼んで〜」


「今遊びたい!」


「よし!三十分待って?」

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