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見た目に出ている

「着きましたよ」


一さんに言われた通り、その時、その場所に移動した。


まだ午前中だというのに、真っ黒な空。


だだっ広い大地の奥に鮮明に映る山。


ここは本当に日本なのか?


キョロキョロと周りを見渡す中、人集りがあった。


「ありがとう。由羅君。じゃあーー「えー?何この美形な子!可愛ぃ!もっと髪伸ばせばいいのに。ボーイッシュだねぇ!」」


人集りの中の一人が俺達を見つけたと思ったら、一さんの声を遮りながらこちらへとやって来る。


スタイルが良く出ているところが出ている大人の女性と言った感じだ。


「むぐっ!?」


突然その女性に抱きしめられ、胸に押しつぶされた。


「く…く…るひぃ…」


「あっ!思わず!ごめん!それで、どう?私の弟子にならない?」


「はいはい。マシンガン博愛主義はお終いね」


一さんは俺の肩を引っ張って目がハートになったヤベェ奴から引き剥がしてくれた。


「それに、由羅君は男だ」


「男っ!?ぎぇぇええええ!!!」


驚きのあまり、距離が三メートル離れた。


「こんなに可愛い顔をしているのにぃ!?」


「身長を見てみな」


「スタイル抜群じゃない?もう、モデルの女の子じゃん!」


「残念ながら男の子だよ。でも、君の男嫌いが治るいい機会じゃない?人類全員の博愛を目指すための第一歩になりそうだし」


「わぁー!一理あるねぇ!やっぱ弟子にならない!?私と一緒に博愛を目指そうよ」


「ダメだよ。この子は私の弟子だからね」


「えっ!?あの一さんが弟子をっ!?ねぇみんなーー!!!重大ニュース!」


人集りに向かってそう呼ぶお姉さん。


一瞬にして俺がいる場所が人集りへと変わった。


しかし、こんなにも人がいるというのに何故か気持ち悪くない。


凄い発見!!


そして、幾つもの質問が押し寄せて来た。


俺の脳内はパンク寸前だ。


いや、爆発した。


「みんな、そろそろ行くよ」


一さんは思想師仲間にそう伝え、ウィンクという合図を俺に送った。


今のうちに帰れということだろう。


俺は自分の位置を家に設定し移動、基、帰ってきた。


「おかえり!」


するとそこにはいつも以上に眩い元気なヒカリちゃんが待っていて、俺の手を引っ張る。


「遊ぼ!」


「いいけど、何するの?」


「公園で滑り台!」


「今日は雨…」


光ちゃんは俺をリビングだったり教室だったりした部屋に連れて来た。


扉を開けると、今日は一面青空の閑静な公園だった。


「ほほう。なるほど。遊ぼっか!」


「うん!」


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