黒い衣を纏ってしまう。人の所為
「あい。おわりー」
はい!地獄。
俺はまた机に突っ伏す。
プルルルルル…。
「お?」
一さんのポケットから携帯が鳴る。
画面を開いて、宛先を確認した時、一さんの顔色が曇った。
何事かと聞きたかったが、早急に電話に出て、教室から去っていってしまった。
余程急用なのだろう。
にしてもあれは黒衣っていうんだな…。
今日の授業は、初めに出会ったオーラの塊に関しての話だった。
彼女から出た怒りのオーラが集約されて、一存在となった訳だ。
思想師達はそれらのことをまとめて黒衣と呼ぶらしい。
怒りだけではなく、負の感情やら、昨日体験したあの欲や、人の気でも大きくそうなるらしい。
悪霊と呼ばれる奴らは気に大きくやられた奴らしい。
元々悪の霊という例は少ない様だ。
昨日の汚れの塊みたいな、場所。
状態を保てていたのは、黒衣になる前に一さんが定期的に浄化するからだそう。
強力な所は何回も行くのが重要なんだよろうな。
一さんは黒衣になる前にどうにかすることを心掛けているらしいが、無理な時はやはり銭戦闘になるという。
というのも、彼ら黒衣は人の怒りや殺意などの攻撃性のある部分を良く吸収する。
光よりも黒い部分の方が多いというのは、人間の程度がわかるというものだ。
攻撃性のある部分を吸収すればそれが塊形になった時はもうお分かりだろう。
さらに彼は素粒子の合体であり、人の思いを形容した悲しき黒だ。
思いは思いとして残る。思いを形にするという事は、経験であり、過去であり、人の全てを受け継いでいるという事。
それは、思いの形容。
思いの形容故に、自我が芽生え、思想師と同じく、力を発揮する者もいるらしい。
俺は思うね。
出会いたくねぇー。
って、
眉を顰めながら。




