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恋心に苦しむ王妃は、異国の薬師王太子に求愛される【WEB版】  作者: 夕立悠理
一章

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39/65

大切な想い出

 ベッドの上で大きく伸びをする。

 うん、今日も良く寝た。

 昨日一日で様々なことがあったから眠れないかと思ったけれど、案外、眠れるものね。

 ……私ったら、図太いのかも。

 

 そんなことをつらつらと考えていると、マーサがやってきた。

「おはようございます、リュゼリア様」

「おはよう、マーサ」

 マーサと他愛ない話をしながら、支度を整えるのを手伝ってもらう。

「じゃあ、行ってきます」

 

 支度を整え終わり、食事の間へ。

 あれだけのことがあって、エドワード陛下と顔を合わせるのは、若干どころかかなり気まずいけれど、自室に運んでもらうと時間がかかって、料理が冷めてしまう。

 

 イーディスがせっかく用意してくれた食事は、万全の状態で食べたいので、勇気をもって、扉を開ける。

「……あら」

 今日は、エドワード陛下はいなかった。

 ……エドワード陛下も気まずかったのかもしれないわね。

 そんなことを考えながら、席に着くと、ほどなくして朝食が運ばれてきた。


 今日もとっても美味しい朝食に舌鼓を打って――もちろんイーディスに感謝を述べることも忘れずに――今日は、最高のスタートを切った。

今日も一日頑張ろう。


 朝食を終えて自室に戻ると、マーサとメイカが笑顔で出迎えてくれた。

「王妃殿下、ロイグ公爵閣下から面会の日程調整の連絡がきております」

「!」

 お父様は手紙を読んでくれた……ってことよね。

 

「ありがとう。そうね……明日の午前はどうかと打診してみて」

「かしこまりました」


 これで、お父様が議会に離婚を提案してくれたら今度こそ、私はエドワード陛下から離れられる。


 そして……離れたら、何をしよう。


 恋は今はまだする気にはなれないけれど。

 いつかは、恋をしてみたい。今度こそ幸せな恋を。


 あら、でも期限は一年で薬の効果が切れちゃうから、それまでになんとかしなくっちゃいけないのよね。


 まぁ、それはそのときに考えればいいわ。


 他には? 何をしたいかしら。

 イーディスや、メイカ、マーサと一緒に女子会とかしてみたいわね。


 きっと楽しいと思うの。


 その他には、他国にも行ってみたいわ。

 この国での公務ばかりで、他国に行ったことがほとんどないのよね。


「王妃殿下」

「今度はどうしたの?」

「薬師がこられていますが、どうされますか?」


 ……そういえば。アキルが一日につき一つ、質問をしに来るって言ってたわね。


 色々ありすぎて、すっかり忘れていた。


 追い返す理由も特にないので、通してもらう。


「おはようございます、王妃殿下」

「ええ。おはよう、アキル殿」


 アキルは恭しく礼をすると微笑んだ。


「お時間を作っていただき、感謝いたします。今日の質問ですが……」


 昨日は確か好きな色を聞かれたのよね。


「王妃殿下の一番大切な想い出はなんですか?」


 大切な想い出……。

 もっと一言で終わるようなことを聞かれると想像していたから、驚いたわ。


 でも、そうね。

 一番大切な想い出なら、決まっている。

「星を、もらったことかしら」

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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運命は、手に入れられなかったけれど
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― 新着の感想 ―
[一言] 星をもらう…一体どう言う事なんでしょ…
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