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恋心に苦しむ王妃は、異国の薬師王太子に求愛される【WEB版】  作者: 夕立悠理
一章

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ここはひとつ

 私に、生涯仕えるって……。

「ええと、マーサ、それは……」

「はい。芸に秀でている者もおり、自分自身で身を立てることが可能です。ですので、もし、リュゼリア様が他の地に行くことがあったとしても——お供をさせていただきたく」


 つまり、離縁や何かでこの城を離れることになったとしても、ついてきたいってことよね。

「でも、私はそういってもらえるようなこと……」

 ちゃんとできていたかな。

 できていなかった気がする。


 恋をしてから、自分の想いをどうしたらわかってもらえるかばかりで。

 イーディスの献身に気付いたのも、つい最近だし。


「いいえ、リュゼリア様。あなたはいつも私共を気遣って下さいました」

 マーサは、私の手を握った。


「私自身が気付かないほどの不調にもすぐに気づき、医師を手配してくださったり、髪を切った際にも必ずお声がけくださったり……、お礼を言うときはいつも目を見てくださったり」


「そんなの、主として当然のことじゃない」

 別に褒められるようなことでもないと思うわ。


「いいえ。その行動一つ一つが、私共を支えてくださり、今の私共があるのです」

「……マーサ」

「そんなリュゼリア様にお仕えできることは、私共の誇りです」


 そうでしょう?、とマーサが振り向く。マーサの後ろには、メイカやイーディスを始めとした面々が揃っていた。……って、えっ!? イーディスまで!?!?!?


「私たちは、常に王妃殿下のおそばに」

「……みんな」


 じわり、と涙が滲む。

 そんな風に思ってもらえたなんて、とても嬉しい。


「王妃殿下のどんな選択でも、私共は従います」

「……ありがとう」


◇◇◇


 ……とは、言ったものの。

 マーサたちにはひとまず下がってもらい、ソファに腰掛ける。


「そもそも、どうするか決めてないのよね」



 離婚するか、別居するか、それともこの結婚生活を続けるのか。


 でも、どんな選択をするにしろ、それを応援してくれる人がいる。それってとっても素敵で幸福なことだわ!


 今は、この幸せを噛み締めて——。


「失礼致します、王妃殿下」

「? メイカ、どうしたの?」


 下がってもらうように言ったのに、やってきたということは、何かあったのかしら。

「陛下がお見えですが、いかがなさいますか?」

「……陛下が?」


 えっ、ええー。

 エドワード陛下といえば、朝食会でビンタをして以来だ。


 つまり、何が言いたいかと言うと、めちゃくちゃ気まずい。


 どうしようかしら。


「……そうね。ここはひとつ、体調不良——」

「見るからに元気そうだが、どこか不調なところでも?」


 

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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恋心に苦しむ王妃は、異国の薬師王太子に求愛される
お読みいただき有難うございます!
運命は、手に入れられなかったけれど
連載中です!
― 新着の感想 ―
[気になる点] 王妃の私室は着替え中とかの可能性もあるのに簡単に入れるものなのですね。 まさか陛下が恋愛方面ではポンコツとはいえ女性の部屋に無理やり押し入るようなマナーのマの字も知らない低脳だとは思い…
[一言] 読みながら何しに来た!て言ってしまいました…すっかり気分はリュゼリア様親衛隊…わたしもリュゼリア様が行くところについて行ってお仕えしたい…すごく良い上司ですねリュゼリア様 更新お疲れ様です…
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