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恋心に苦しむ王妃は、異国の薬師王太子に求愛される【WEB版】  作者: 夕立悠理
一章

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「……欲しい物、ですか」

 アキルは意外そうに目を瞬かせた。

「ええ、そうよ!」

 もちろん、私個人の力であげられるものの範囲内で、という注釈はつくけれど。


「それでしたら、一つ、ございます」

 アキルは、とてもすごい薬師だから、要求も高そうだ。私に応えられるかしら。

「あら、何かしら?」

 若干不安ではあるものの、続きを促す。


「それは、私が、ずっと探し求めているもの」

「!」

 そういえば、アキルは探し物をしてるって言ってたわね。


「私が探しているのは」

 アキルは、私を見つめた。なぜだか、急にアキルの言葉以外の音が遠ざかる。

「——私の唯一になりうるもの」

「アキル殿の唯一になりうる、もの……」


 そういえば、半端では意味がないとも言っていたわね。

「はい。ですが、それをいただく——のは、今は道理に反しておりますので」

「道理に反する?」

「はい。私が見つけなければ、意味がないので」

 そこで一度言葉を切り、アキルは微笑んだ。

「王妃殿下には、それを探す手伝いをしていただきたく」

「それは……構わないけれど。どう手伝ったらいいの?」


 だって、アキル自身が見つけなければ意味がないという。


「そうですね、具体的には、王妃殿下には一日ひとつ、私の質問に答えて頂きたく。もちろん、お忙しい日はできない、という答えで構いません」


「アキル殿の質問に答えることが探し物に繋がるの?」


 まるで、謎かけみたいね。

「はい。そう、信じております」

「……そうなのね」


 よくわからないけれど、それならば、こちらの答えは決まっている。

「わかったわ」

「ありがとうございます。この目で薬の効果が持続しているかも確かめたかったので、嬉しいです」


 ……薬の効果。恋心を消す薬の効果は、一年間恋心を消すけれど、一年以内に他の人を好きにならなければ、またあの恋心が復活しちゃうのよね。


「ねぇ、アキル殿」

「はい」

「薬を飲み続けることは、できないの? ほら、一年後にまた同じ薬を飲んで、また復活した恋心を消せば……」


 思ったのだ。ずっと薬を飲み続ければ、もうあんな苦しい思いをしなくてすむって。

「少しずつ効果が薄くなりますし、心がすりへってしまいます」


 効果が薄くなるってことは、つまりどんどん薬を飲む期間が短くなり、飲まなければならない薬の本数が増えるってことよね。

 

「心がすり減ると言うのは?」

「あるものをなくす、というのは、心に負担をかけるのです」

 ……なるほど。



「なので一番おすすめなのは、そんな相手から離れることですね」

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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最近更新が不定期になってしまい、申し訳ないです。

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恋心に苦しむ王妃は、異国の薬師王太子に求愛される
お読みいただき有難うございます!
運命は、手に入れられなかったけれど
連載中です!
― 新着の感想 ―
[一言] あ、これはやべー展開(笑)
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