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恋心に苦しむ王妃は、異国の薬師王太子に求愛される【WEB版】  作者: 夕立悠理
一章

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24/65

君以外など(エドワード視点)

「…………で、その綺麗な手形が頬についた、と」

 側近のロイズが、半笑いで私の頬を指さした。

「……いいたいことがあるなら、はっきり言え」

 ロイズは側近だが、親友でもあった。なので、二人だけの時は私も気安い。

「やーい、エドワードってば、ついに王妃殿下に嫌われてやんの!!」

「嫌われてなどない!!!」

 嫌われてなどいるものか。リュゼリアは私一筋だ。


「……その自信はどっからくるわけ?」

 呆れたようにため息をついた後、いや、でもさぁ……、と半笑いをやめて、ロイズは私を見つめた。


「正直な話、理由も話さず幼馴染を城にあげたかと思えば、触れないどころか目も合わせない。そんな男に愛想を尽かしたとしても……当然じゃない? 少なくとも俺なら愛想を尽かすね」

「ぐっ!!!!」


 私の心にロイズの言葉がぐさぐさと刺さる。

「だからアイリ嬢……だっけ、を城に呼び寄せた理由を話せって言ったろ。それか、ちゃんと好きだって伝えるとか」

「…………無理だ」

「この期に及んで何言ってるのさ! もうエドワード、お前が結婚して2年が経った!! このまま隠し通すのはそれこそ無理だって」


 ……だが。

「理由を話せば、嫌われるかもしれないし、言葉にして好意を伝えれば、歯止めが利かなくなる。だが、歯止めが利かなくなれば……」

「理由を伝える必要がでてくる?」

「そうだ」


 エドワードはさ、本当に臆病者だよね、とロイズは言って、頭を掻きむしった。

「あー、もう! 嫌われるとかなんとか、結局お前のプライドを大事にしてるだけだろ!」

「!!!」


 ぐさっ。

 今までで一番大きな矢が刺さった。

「そりゃあ、男としては一大事だよ。わかるよ、俺も男だし。でもさぁ、お前は、お前のプライドと王妃殿下どっちが大事なわけ?」

「……っそれ、は」


 リュゼリアが好きだ。愛している。初めて出会ったあの日から。だから、今は亡き兄たちに負けないように、努力を重ねてきた。


「リュゼリア……だ」

「だったら、さっさと言えっての!!」

 はー、と大きくため息をついて、ロイズは続けた。


「言っとくけど、こっちだってかなり限界だから。重鎮たちの王妃を代えるべきっていう声、日に日に大きくなってる。有能な陛下なら……もちろん、気づいてるよね?」

「……っ!」


 私とリュゼリアの間には、子供がいない。そのことで、私たちの相性が悪いのではないか、それなら、別の王妃を迎えるべきだという臣下たちが増えている。


「それは、だが……。私は、リュゼリア以外と婚姻など絶対に——」

 

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恋心に苦しむ王妃は、異国の薬師王太子に求愛される
お読みいただき有難うございます!
運命は、手に入れられなかったけれど
連載中です!
― 新着の感想 ―
[一言] 昨日から読み始めました! エドワードにも事情がありそうだけど、絶対絶対絶~対逃げ切って欲しい…! 事情があれば何してもいいってもんじゃないので リュゼリアの未来に幸あれ!
[良い点] 今のところ陛下視点でも同情に値しないアホだったこと。 心置きなくざまあを楽しめそうです。 [気になる点] >重鎮たちの王妃を変えるべきっていう声、日に日に大きくなってる。 そりゃそうだよね…
[良い点] ざまぁ!!!って感じし感じないなw
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