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恋心に苦しむ王妃は、異国の薬師王太子に求愛される【WEB版】  作者: 夕立悠理
一章

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20/65

悪くない

 あてつけ、ですって……?

 私は、私らしく明るく前向きに生きているだけなのに、そう言われるのは納得できない。


「だから私が……君に触れないことへのあてつけなのか、と聞いているんだ」

「……は?」


 私に触れないこと、つまり白い結婚なことなんて最早どうでもいいけど。今やこれっぽっちも好きじゃないし。だから、好きじゃない人の子供を産まなくてすんでむしろラッキーくらいに思ってるわ!!


 ……って、これを流石に言ったら不敬罪かしらね。


「いえ別に、私は——」

「王妃様! ちがうの、エドは悪くないの!!」


 アイリが、否定をしようとした私と、エドワード陛下の間に入ってきた。


「……エドは、エドはっ——。……とにかく、私の力不足が……原因……で」

 アイリはふるふると肩を震わせ、涙をこぼした。

「アイリ、君が自分を責める必要なんてどこにもない」

 そんなアイリの肩を抱き、エドワード陛下は、優しい声でそう言いながら、アイリの涙を拭ってやる。


 えーっと。

 いちゃつくなら、廊下じゃなくて、部屋の中でやってもらえないかしら。


「アイリは、何も悪くない」

 改めて、エドワード陛下は私に向き直るとそう言った。


「……はぁ、左様にございますか」

 私は別にアイリを責めたつもりは一切ないし、エドワード陛下を責めたつもりもない。


 けれど、なぜかよくわからないけれど、エドワード陛下とアイリの中で、私は二人を責めたことになっているようだ。


 ええー、理不尽すぎるわ。

 でも、まぁいっか!!


 とにかく、これで白い結婚は続行ってことよね。

 うんうん、それに越したことはないわ。

 ……もちろん、貴族として生まれたからには、子供を産み、次へと繋ぐという義務があることはわかってる。


 だから、もしエドワード陛下がそのつもりなら、私に拒否権はない。

 でも、しなくていいことなら、したくなーい、っていうのが本音だ。


 私には、エドワード陛下がその気じゃありませんでした! という言い訳もあることだし。


「では、あとはお二人でごゆっくり。私には、明日の朝食が待っていますので」


 そうそう! 明日のイーディスの朝食!! とーっても楽しみだものね。

 私は、今起きたことなんてけろっと忘れて、朝食のメニューに思いを馳せ……。


「待て、リュゼリア」


 ??? まだ何か?


 ため息をつきたいのを抑えて、ゆっくりと振り向く。

「私は……いや、なんでもない。おやすみ」

「はい、おやすみなさいませ」


 まだ泣いているアイリを慰めるエドワード陛下を横目に、今度こそ私は自室へと歩き始めた。

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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恋心に苦しむ王妃は、異国の薬師王太子に求愛される
お読みいただき有難うございます!
運命は、手に入れられなかったけれど
連載中です!
― 新着の感想 ―
[良い点] 「当て付けか!?」って言葉は「この女は自分を好きに違いない」て絶対的に思い込んでいるから出てくるんですよね。で、具体的な言葉はなにも言わないし、だいたい言葉自体がも少なすぎだし。王妃様が自…
[一言] アイリも王サマも馬鹿すぎ無礼すぎて……このウザさとイライラが後の展開に効いてくるかと思うとワクワクします!王妃様!やっちゃってください!そして幸せになってください! 更新楽しみにしています…
[一言] アイリうざっ(゜ロ゜) 挨拶までは普通(不敬だけど)だったのに、突然泣き出すとか……。 王様はいい男気取りでキモいし! 勝手に嫉妬だろうって勘違いしてる男の痛すぎる行動恥ずかしいよぉ(笑) …
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