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Farewell  作者: ミニト
5/8

ゆりえの浮気5 - 保身

 ゆりえは、結局2時頃に家へ帰ってきた。

 僕はお酒を飲まないと、どうにかなってしまいそうだったので、ゆりえに焼酎を買ってきて貰っていた。

 ゆりえが来た後の、部屋の中の空気は重くて、二人とも何も喋らずに、黙って部屋のベットに座っていた。

「そういや、私の荷物は?」

「ゴミ捨て場」

 ゆりえはそれを聞くと、すぐに荷物を取りに行った。

 僕は苛立ちと疲れで、手伝いをする気がおきなかったので、部屋で待っていた。

 ゆりえは10分ほどすると、すべての荷物を持って部屋に帰ってきた。そして黙々と、服や小物なんかを片付け始めた。ゆりえは15分程度で、僕が捨てた物を片付け終わっていて、ゆりえの手際の良さに驚いていた。

「本当にごめんね」

「つかさ。浮気をしないって昨日言ってたのに、ナチュラルにするってなんなの?」

「ごめん」

「しかもさ、俺は今日仕事だったのに休んだからね?お前本当にふざけてるよな?」

「しかもさ、こんな状況ならすぐに、歌舞伎から帰って来るでしょ?普通。それなのに、1時間もバーにいて帰ってこないってなんなの?もしかして舐めてる?」

「ごめん。怖くて帰れなくていちゃったの」

 僕は少しかわいいと思ってしまった。

「まぁいいや。浮気の話をしよう。どんな状況で、どんな感じだったの?」

「グリーンプレイスってバーで、アキさんに会って、意気投合して、バクに誘ったの。そして、ホテルに行くって話になったの」

 嘘じゃねーか。

「みき、ゆりえの態度が酷くて、怒ってたそうだよ」

「でも、みきも、ホテルに行きなよって煽ってきてたよ?」

 は?と思った。

 友達の浮気を止めもせず、ホテルへ煽るなんて、本当ならば、みきもクソ野郎だ。だが、みいめろに確認をしなければ、真実は分からない。

 僕はすぐにみきに電話をした。みきは普段は仕事が忙しくて、あまり電話に出ないのに、この時はすぐに連絡に出た。

「忙しいとこごめんね。お疲れ。聞きたい事があるんだ。ゆりえに聞いたんだけど、みきが二人でホテルへ行けばって、煽ったって言ってるんだけど、それ本当?」

「はぁ?ゆりえがそう言ってんの?私は煽ってねーよ!そもそも、ゆりえの態度が悪くてムカついてたんだよ。それでイライラしてて、二人に勝手に二人で行けばって言ったの。しかもさ。その日用事があって、流石に疲れてて、帰りたかったんだけど、ゆりえが帰してくれなかったの。それなのにホテルへ行ってさ。その間、私は疲れてたのに、ずっと置き去りで待ってたんだよ。すげぇむかついた。帰るなっていっておいて、自分はホテルに3時間も行ってんだよ?つか、煽ったとか人のせいにするとか、何なの。まじムカつくんだけど」

「そっか、わかった」

「そもそも、煽るみてーな、ガキみたいな事しねーよ」

「分かったよ」

 僕は電話を切ると、ゆりえの言い訳ばかりをする態度に、少しうんざりしていた。

 近くにいたみきに聞けば、ばれてしまう話だし、そもそも浮気はもうバレている。正直に言えばいいのに。ホテルはゆりえから誘ったのだと。細かい言い訳で、微妙にごまかすゆりえに、苛立ちを覚えた。


 僕は部屋に戻ると、浮気の話の続きを話そうとした。

「で、バクから何処のホテルに行ったの?」

「I島」

「どんくらい?」

「2,3時間くらい」


 本当はアキさんは、二時間半しか時間がなかったけど、それでもいい?って聞かれたゆりえが、猛プッシュで、ホテルへ誘ったんだろ?

 僕は何も話す気が無くなってしまい、今後のことを、ぼんやりと考え始めていた。


 僕はゆりえの浮気を許せるだろうか?と。

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