第一話:一枚のディスク、無限の俺
多分、これもネタ…の部類だと思います。ネタ、楽しいです。皆さんにも楽しんでもらえれば良いですが。。「おもしろくなかったりするのは仕様です」<二千九年五月十五日>
ミーン、ミーン
蝉の音が煩い。
ゴォォォ
飛行機の音が煩い。
グーアーッガゴォー
…隣の鼾が煩い。
寝ている中年の顔が俺の肩に寄りかかる。
煩わしい。
涎が垂れてこないかを確認しつつ時計を見る。
−−−−−−−−−−−−−ガチャリ
「ただいまぁー」
今日のくたびれを、その一声に掛ける。
と、パタパタとスリッパの音が響く。
「おかえりなっ」
二つのスリッパが等しく放物線上を描く。
「あっ」
彼女の片足は宙を舞い、もう片足は崩れかけた。
「!」
咄嗟に彼女の後ろに腕を回し、引き上げる。途端、彼女の唇が迫ってきて…
−−−5分経過
お互いの口から吐息が漏れる。最初の衝撃こそ痛かったものの、今では甘い、甘い……あれ、俺なにしてんだ?
目の前には女の子、今はその子とキスしてる。脳が一瞬で回答を叩き出した。よし、続行。
更に抱き締める。抱いた髪の毛からはほのかな温かみとシャンプーの香り…
服の上からでもわかる膨らみに手を這わせる。
急に彼女が体を震わせ、目に玉を作る。頬がほのかに色付いていた。
「うぅ…」
気づいた俺はすぐに手を離した、が時は既に遅しか。
「ご、ごめんっ」
「高ちゃん…」
…高ちゃんって誰?
しかし次の言葉は俺の疑問を吹き飛ばしてくれるような重大発言だった。
「ああ…高ちゃん、見てぇ、もう洪水だよぅ」
こ、洪水だって?いくらなんでもそれは早すぎ…いや、そんなのはどうでもいい!早く、早く拝まなきゃって暗くて見えづらい、ああ、リビングだ!
俺は彼女の手を取るとリビングへと直行した。
−−リビング−−−
ああ…予想以上だ…
「凄い量だな」
「だから言ったでしょ?」
泣きそうになりながらも拗ねたような声を出す。
洪水どころか水浸し状態だった…。
台所が。
鍋が排水口へ入る道をせき止め、蛇口からは水の奔流が止まることを知らず、床を濡らしていく。
さらば、水道代…そんなことを考えつつも、俺たちは呆然とする暇もなく雑巾を片手に奮闘するのであっ
ブウゥゥゥーンーー…
「何だ?このクソゲー!!」
ディスクを取り出すなり窓の外へと投げつける。回転エネルギーをいっぱいに秘めたディスクは広い大空へと駆け出していった……
(終)




