とある心配性達
19/09/28 誤字修正しました
「アイトさん、今日こそ吐いていただきます」
アイト・ゼーンズフトは争い事を好まない。
「あの……吐け、と言われても、僕にも分からなくて…」
「そんな筈ありません!!あんなに懐かれてるじゃないですか!!」
「トレーネ様に一体何をなさったの!?」
「あの、本当に覚えが無くて……」
その出生と幼い頃からの環境故に、出来るだけ戦わないで済む方法を選ぶものの人を殺せない訳ではない。
ただ、無意味に奪わなくても済むのなら、例えソレが最善策でなくても構わないと思っている。
「…………分かりました、貴方がその気なら此方にも考えがあります」
「皆さん。我々はオルドヌング家に忠誠を誓っています、皇帝陛下にお仕えする事に誇りを持っています」
「「「「「「「はい!!」」」」」」」
「なんとしても、アイトさんに遅れを取る訳にはいきません。業務終了後、私の部屋で作戦会議を致します。異存のある方は?」
「ありませんわ」
「私も参加させてください」
「アイトさんはご遠慮くださいね、もちろん」
「は、はい……」
喪うのが“命”でも、
“心”でも、アイトは同じ道を選ぶだろう。
“言葉”は“ナイフ”だ。
刺さった刃物を抜けば大量の血が溢れ出す。
“言葉”は“ナイフ”だ。
間違った使い方をすれば意図せず相手を傷付ける。
「んむぅ……アイト…」
「あら、お目覚めですか?」
「おはようございます、トレーネ様」
「もうこんな時間ですのね。トレーネ様、今日のおやつは何がよろしいかしら?」
「…………よく、分からないです。ここに来るまで甘いものは食べた事なくて…………ごめんなさい…」
「っ……今から1時間後をリミットとします。1時間以内にいろんな種類のお菓子を用意なさい、平民が食べる物でも構いません」
「料理長と相談して参ります」
「私、夕方まで手が空いてますので厨房のお手伝いをしてもよろしいでしょうか?」
「私も空いてます」
「許可します。仕事が残っている者、本日の寝ず番以外は準備へ」
「「「「「「「はい」」」」」」」
「アイトさん、そんな汚れた格好でトレーネ様と同席なさるのかしら?早く着替えていらっしゃい」
「えっ?しかし、仕事が……」
「そんなモノ、我々が代わりに出来ます。陛下が職務で不在の場合の最優先はトレーネ様です。まさか1人でお茶をさせるつもりですか?」
「直ぐに着替えます」
「よろしい。1時間後に中庭にいらしてくださいな」
「はい」
アイト・ゼーンズフトは争い事を好まない。
だが、――…‥
「まぁ…………こういう“敵意”なら大歓迎ですけど、ね」
ちまちま書いてるので本編の更新遅くてすみません。
原因ですか?えっと……「私以外が書いた方が面白いんだろ?分かる分かる」が根本にあるから、でしょうか?(たじっ
更に言えば書きたい所までが数十話かかるから、とか。
早く女の子出したい女の子。
【修正ついでに追記】
平民が食べる物でも構いません、について。
「たとえ平民が口にするような料理だろうと、トレーネ様に喜んでいただけるならそれでいいのです」
との事でした。