神様とステータス
「何処だ…ここは」
俺は…いや俺達は真っ白で幻想的な空間にいた。
「あっ!先生!起きたんですね!!」
俺がいた学校のガキ共のうちの一人、朱岡 灯嶺である。
「あぁ、朱岡、あんたもいたのか、ここはどこか分かるか?」
「いいや、私たち、あの後何が起こったのか分からないんだけど…」
「そうか…」
その時、突然中年くらいの白髪頭、杖を持った老人が現れた。
「聴け。お前たち、お前たちは異世界に転生することになった。これより異世界に転生させる。」
一瞬沈黙が立ち込める。しかしそれも
「おい!こら!ふざけるなよ!?何のドッキリなのか知んねぇけどただじゃ済まさねぇからな!」
そんな声によって破られた。その老人はめんどくさそうに説明する。
「落ち着け、異世界の民よ。お前たちには転生して貰うが勿論なにかしらの能力を与えよう。」
いやいや、そうゆう問題じゃないよ?
「はぁ?何を言ってんだ?そもそもお前誰なんだよ!」
「ワシか?ワシは神じゃよ」
「か、神ってあの神?」
叫んでいたガキがやっと叫ぶのをやめた。
「あぁ、そうじゃ。あの神。お前たちの神に交渉した結果ワシの世界であるスクルトに送ることになった。赤ん坊からやり直しじゃが、まぁ頑張りな。そうじゃそうじゃ、能力の話しじゃったのう。」
誰も何も言わない。ガキ共も俺も言葉がでないのだ。
「よし、お前たち、ステータスオープン!とでも唱えてみよ。」
最初は誰もしなかったが徐々にみんなが「ステータスオープン!」と唱えている。さて、俺もステータスを見ますかな。
「ステータスオープン!」
音もなくステータスが現れた。
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名前
カジャク アサネ
職業
なし
ステータス
攻撃力 1
魔力 1
素早さ 1
防御力 1
魔防 1
スキル
話術S 鑑定A 隠蔽S 魅力A 盗術A 道化B 偽装A
特殊スキル
詐欺S 不吉C 成長倍加
固有スキル
詐欺師ゆえの「不」
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おう、知ってたけどこれ人に見せられないな…この[隠蔽S]ってのを使えばなんとかなりそうか?
「どうじゃ、お前たち、すごいじゃろ。転生すればその能力が産まれた瞬間から備わっているぞ。ちなみに、ステータスは他人に見せようと思えば見せられるぞ。では、異世界を楽しめ。」
「なぁ、神様」
俺は声をかける。しかし
「いくぞ?ほれ!」
また俺達の身体が薄くなっていく。
「おいこら!神!話し聞けって!」
また俺の意識はプツリと途切れた。
追記 誤字についてはご指摘して頂ければ幸いです