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ユウチャン、【能力】について学ぶ

 転移した異世界のことが全く分からない半ニートの自称大学生ユウチャンと、魔王討伐のためにユウチャンの得体のしれない力に魅力を感じた女魔法使いカノンは共に旅をすることにした。


 自身の杖に乗ってふわふわと飛びながら付近の町へ先導するカノンの後ろで、ユウチャンはカノンの魔導書を読みながらテクテク歩いてついていった。


「カノン殿!この魔導書のどこにも空を飛ぶ魔法が乗ってないでござる。拙者も飛行に走りたいお年頃でござる」


「魔導書には載ってないわ、空を飛ぶ魔法なんてないもの」


「ではなぜカノン殿は今、杖に乗って飛んでいるのでござるか?」


「これは私の【能力】だから」


「能力?」


 ユウチャンは首を傾げた。


「【能力】というのはすべての人間が生まれながらにひとつだけ持っている特殊な力よ。まぁ、ある程度の修業をしないと開花しないから自分の【能力】を知らずに一生を過ごす人も多いけどね」


「ふ~ん」


 ユウチャンはあまり興味がなさそうだった。


「ユウチャンには【能力】があるの?どんな【能力】か教えてよ~」


 カノンはユウチャンの周りをグルグルと飛び回った。


「拙者の【能力】は……【潰れそうな定食屋を見分ける】チカラでござる!!」


「……ナニソレ?」


「ライス大盛に150円以上取る店はすぐ潰れる、というか潰れろ」


「それはただの願望であって、【能力】ではなさそうね」


「左様でござるか。なら拙者の能力は……自家製カレーの味は世界一でござるが……」


「そっちの世界には【能力】がないみたいね。まぁユウチャンもこっちの世界で一緒に旅をしながら多くの経験をしたら【能力】が身につくかもしれないわ」


「おお、拙者カレー作りに役立つ能力だと嬉しいでござる!!」


「いや、魔王討伐に役立つ能力じゃないと困るのだけれど……」


 カノンが呆れていると、遠くにぼんやりと町が見えてきた。

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