86話
ぶ、部活が忙しいんですよぉ。すいません…。
「女に生まれてよかったと思う…」
俺が回復魔法を唱え、痛みをとると、リサがしみじみと呟いた。
「そうか?俺は男の方がよかったと思うが」
「バカな!?女より1つ急所多いのだぞ!しかも心臓や首よりも守りにくい」
言われてみれば確かにそうだけども。
けど、やっぱり男の方がいいと思う。立ちションできるし。あとはエッチ系の方でもいいらしいし。俺?俺はまだ童貞だよ、まだ。…理想の彼女が欲しいなぁ。
「でも、子供産む時とかめちゃくちゃ大変じゃないの?」
「む?そうなのか?」
詳しくは知らんが、日本だといろいろな機会があったり、専門の人とかいる。ただこの世界のことはあまり知らないな。魔法とかある分安全なのか?
「ていうかお前彼氏とかとこう…やることやったの?」
「やること?」
「だから…アレっすよ。男女の…子作り的な?」
「子作り?」
くそっ。なんでこんなに恥ずかしいんだ。そして何故伝わらないんだ。純粋かっ!
男子相手だったら割と簡単に言えるのに。やっぱり相手が女子だからか?…俺が、コイツを、女扱いしてる?
「子供なんて男と一緒に寝たらできるものではないのか?」
「いや、うぅぅん。合ってるには合ってるんだけど」
コイツ頭の中が子供だよ。というか何故こんなことも知らないんだ。もういい年になるだろ。この中途半端な箱入り娘がっ!
しかし、この世界はどうやってそういう知識を得るんだろう?日本だと、ネットとか小説とかゲームとか、あと保険体育で学ぶ。
この世界にはそういうのはなさそうだしなぁ。
「二人ともおつかれさまです」
俺が思考していると、声がかかった。振り返ってみると、フィアだった。
「な、何をしていたのですか?」
何を、と聞かれて周りを見てみる。訓練兵の大半が倒れている。白目むいたり、内股になったり、よだれ垂らしたり。そしてリサは何処か遠い明後日の方向を向いている。俺は何か考えている、と。
うん、カオス。他人から見たらカオスだわ。
「ちょっとしたおしゃべりだよ。それより、フィアはどうして?」
「もうお昼の時間は過ぎてますよ。これからは勉強の時間です」
「げっ…」
時計を見ると既に時間をオーバーしていた。本来ならまだ昼食の時間だが、遅れた分を取り戻さないといけないので、時間がない。
「安心したしてください。お菓子は用意してあるので。あとは…お風呂に入ってる時間はないので。
クリーン」
フィアが魔法を使うと、泥だらけになっていた身体が一瞬で綺麗になった。毎度ながら、汚れはどこに消えてるのだろうと気になる。




