8話
「…ま………そ…ま……ソラ様!」
「んあ!?起きてます!4xの二乗プラス3ルート2です!」
「寝ぼけてるんですか?」
「ふぁい!すいません国語の時間でした!……痛い!ん?あれ?」
「やっと起きましたか」
んーまだ視界がぼやける…。
「ふあ……痛い!」
また同じ痛みが!なに!?
ハリセン?
「それで叩いたの?」
「違います」
「そうか」
「スルーですか……」
とりあえず口をゆすぎたい。あれ、俺ん家じゃない。ああ、そうだった思い出した。どうりでお腹に衝撃が来ないわけだ。もうあいつらには会えないんだっけ…。
「ふあ……」
「また欠伸ですか。早く顔を洗ってきて下さい。こちらです」
「ん……」
なんか耳を赤くしてモゾモゾしてるセレスについていき、やたら豪華な洗面所で顔を洗ってスッキリする。
「ふう、おはようセレス」
「おはようございます。食事の支度はしておりますので早めに着替えて下さい」
「わかった」
ああ、制服のままで寝ちゃったのか。あれ?話してる途中で寝ちゃったのか。でも誰がベットに運んでくれたんだ?
「セレスか?」
「何がですか?」
あ、こいつだな。今ほんの少しだけ口元がニヤッとしたぞ。気づいてくれて嬉しかったのか....。
「ありがとう」
「何のことでしょうか?」
「ほんじゃ着替えたりするから出てってくれ」
「了解しました」
ガチャリ
素直じゃないな。ツンデレか?
お、何だこの布地めっちゃ触り心地いいじゃん!……でもこの派手なの何とかならんかね。金ピカにすればお偉いさんは喜ぶとか思ってんのかね。…喜ぶか。知らんけど。
さて、着替えたし歯も磨いてっと。靴下は何処だ?……あった。これもまた派手だなぁ。
よし行くか。
「おまたせ」
「いえ、こちらです」
セレスについて行き、長い廊下を歩いて行く。
やがて食堂と思われるところにやってきた。
あまり豪華ではないが、椅子とか食器がしっかりとしていて、本当に食べることを目的とした場所みたいだ。
「んんー?そいつが勇者かい?なんだかひょろっとしてるね〜」
おい!違うぞ!あくまで細マッチョだから!
ていうか誰だ!
少し待つと、ザ!食堂のおばちゃんみたいな人が出てきた。
「おはようございます。あなたは?」
「わたしかい?ただの料理長だよ!はっはっは!」
何が面白いんだろう?
「飯だろう?もうできてるよ。あそこで食べな」
「ありがとうございます」
そう言って言われた席に行くとすぐに料理が出てきた。うん、美味しそうだ。
「いただきます」
☆☆☆☆☆☆☆☆
朝ごはんを食べ終えて今は部屋にいる。
「さてと、これからどうなってる?」
「特に指示はありませんが」
おお、マジか。
てっきり朝から晩まで訓練かと思ってた。
「なら、もっと詳しくスキルを調べてみるか」