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72話

学校に行きたくない…。



さて、依頼を受けた。準備もオーケー。門も出た。となると次は冒険!ではなく…


「あぁ…また歩くのか……」


「当たり前だろ」


まあわかってたよ?わかってたけどさっ。現代日本で生きてた子どもとしては、何もなく代わり映えもしない平原を歩くのは苦痛である。


レベルアップもしてるので、筋肉痛とかの問題ではない。精神的な問題である。


「だが!今日は違う!」


「急にどうしたんですか?」


当然こうなるかなとは思ってたさっ!近いらしいあの森でさえ遠いのだから、ランクが上がればもっと遠くに行かなくちゃいけないとも考えていた!


よって私はっ!本を持ってきた。


俺はアイテムボックスから本を取り出して歩きながら読む。


「…僕クエスト前に本読む人初めて見ました」


「私は親睦を深めようとしないところに驚きました」


「…まぁ前回みたいにならないならなんでもいいか」


少し外野がうるさい。だが言ってることは正論。くっ!


「よし!なら自己紹介をしよう」


パタンと本を閉じた後アイテムボックスにしまう。…あっ!栞挟むの忘れた!


「何こいつ…情緒不安定なの?」


うるさい。


「俺の名前は…あー、ソラだ。職業はポーター。簡単な魔法が使える。逃げ足には期待してくれていいぞ」


「うわ、仲間にしたくないわね」


「はい次!」


ちょっと俺の言うこと全てに文句を言うのはやめていただきたい。


「じゃあ僕が行きます。…いや、敬語はやめよう。パーティーなんだから。僕の名前はライル・エドワードだ。職業は剣士だ。前衛は任せてくれ」


「ほう、盾として使ってやろう」


「やめてくれるかな?」


「…………」


「や、やめてよ?」


もちろん。わかってる、フリだろ?


「じゃあ次は私ね!ーーーー」


取り巻きの女の子たちも自己紹介をしたが、ちょっと覚えるのがめんどくさかったのでビッチAとビッチBと呼ぶことにしよう。


そしてリリアの番だ。


「名前なリリアだ。家名はない。職業は『アサシン』」


うん、さっき聞いた。


「それだけじゃない!リリアさんの武器は短剣!だけどいろいろな暗器も使えるうえに隠密スキルも高レベルなんです!」


「へぇ、暗器なんて使えるのか。卑怯者め」


暗器を使うってことはあれだろ、不意をつくとかするんだろ?正々堂々と勝負しろよ全く。


「お前にだけは言われたくないぞ。というかお前を見習って使い始めたんだからな」


「俺を?」


「ああ。この一週間ずっとお前のことを考え続けてた」


「…告白ですか?」


「は?……ち、違う!」


こいつたまに恥ずかしいことを平気でいう癖があるからな。注意してないとうっかり勘違いしかねん。悪女とかあだ名をつけてやろうか。


「いてっ」


「どうした?」


「いや…」


なんか頭になにかがぶつかった気が…。気のせいか?


「その人がおかしいのは今更よ」


「もう慣れたわよ」


「しばくぞ」


誰がおかしいって?


「なんなら俺がおかしいかどうか示してやろうか」


「へー、どうやって?」


「それはお前たちが身を以て痛感することになるだろう」


「…別に怖くはないけど謝るわ。ごめんなさい」


まぁ今回は許してやろうか。

そう思ったらライルが頭のおかしなことを言いだした。


「はは、仲良くなったみたいでよかったよ」


お前の目は節穴か?いや、節穴だ(確信)。俺たちが仲よかったら世界から戦争は消えてるぞ。


「いてっ」


なんかまた頭に石でもぶつかったような衝撃が。


「な、なに言ってんのよ!バッカじゃないの!わ、私が好きなのは…」


「そうよ!こいつよりライルのほうが…!」


ツンデレですよね。わかります。だから砂糖を吐き出しそうになる空間を作らないでくれっ…!


「ははは、ありがとう。嬉しいよ」


「べ、別に…」

「本当のことを言っただけだし…」


くそっ!三流のラブコメみたいなことしやがって!


「こいつら置いてかね?」


「…さすがにオレにも辛い」


リリアでも辛いなんてことがあったなんてな。


と、いうことでスタスタと先に歩いていった。50メートルほど離れた時にライルたちが置いてかれたのを気がついたみたいで走ってきた。


ライルたちの足元にアイテムボックスから小石を取り出して転がすなどして邪魔をしてやった。何回か躓いたのをみてスッキリした。


チートスキルを俺ほど無駄遣いする人はいないの思う。


『収容量無限』で『時間停止』。この時点でチートだが、裏技で遠くの場所に物を出す方法を見つけた。


この世界の人は、『空気』を『なにもない空間』と捉えるだろう。だが俺たち日本人は空気が何か知っている。酸素窒素二酸化炭素…。物質が存在しているのだ。

だから、間接的に触れていると認識し、収納もできるし排出もできる。


俺はこの機能を使い、手から空気を触れ、ライルの足元に小石をだした。なかなかに集中力のいる方法だ。







今更ですが説明です…

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